0,ガンタンク,rx_75.gif,砲撃戦用試作型MS。「RX計画」により最初に開発されたRXタイプMS。極秘に入手したジオンの新兵器、「モビルスーツ」の断片的な情報を元に開発。試行錯誤の末、何機もの試作機が製作された。歩行システムが完成する前に作られたMSであるため、脚ではなくキャタピラによって装甲する。また、マニピュレーターを持たないため、人型兵器としての有用性はなく、MSというより戦車に近い機体となっている。この「RX-75-4」モデルは、RX-77、78と互換性を持たせるため、コクピット兼脱出装置としてコアブロックシステムを組み込んだ最終モデルである。初期モデルとは違い、「V作戦」におけるMS運用実験に使われる予定だった本機は、装甲材に「ルナチタニウム合金」が使われるなど、実戦使用に耐える作りとなっている。 1,ガンキャノン,rx_77_2.gif,砲撃戦用試作型MS。「RX計画」により開発された2機種目のRXタイプMS。他のRXタイプ同様、コクピット兼脱出装置としてコアブロックシステムを採用している。装甲材には新開発の「ルナチタニウム合金」を使用。砲撃戦用タイプのため、格闘用の「RX-78」よりも装甲を厚くして機動性を犠牲にし、防御力を高めている。固定武装の240mmキャノン砲は射程が長く、主に後方からの支援砲撃に使用された。開発当初はビームライフルの装備予定はなかったが、「エネルギーCAP」技術の確立によりビームライフルが完成し、ジェネレーター出力にも余裕があったため、のちに装備が可能になるよう改良された。「RX-77-2ガンキャノン」は、比較的良好な実戦結果が得られたため、少数ではあるが量産が行われている。 2,ガンダム,rx_78_2.gif,汎用試作型MS。「RX計画」により開発された3機種目のRXタイプMS。RX-75、77同様、貴重な実戦データを記憶した「教育型コンピューター」の回収とパイロットの脱出のため、コックピット兼脱出装置としてコアブロックシステムを採用している。試作機である本機は、当初から生産コストを度外視して開発されている。高価な新開発装甲材「ルナチタニウム合金」の採用、画期的な新技術「エネルギーCAP」と高出力ジェネレータの搭載により、MSとしては初めてビームライフルを装備するなど、その性能はきわめて高い。汎用MSとして開発されたために柔軟な運用が可能で、実戦結果も良好だったため、後の量産機「RGM-79ジム」には、このRX-78の運用コンセプトが生かされている。 3,ボール,rb-79.gif,支援用モビルポッド。「V作戦」によって量産MSが完成するまでの間、ジオン軍のMSに対抗するため、場しのぎとして連邦軍が宇宙用作業ポッド「SP-W3」を改良して作った戦闘用ポッド。その戦闘能力は低く、連邦軍のパイロットからはあまり評判が良くなかった。大戦中期に大量生産され、「RGM-79ジム」配備後は、その支援メカとして使用された。 4,ジム,rgm-79.gif,汎用量産型MS。ルウム戦役で大敗し、地球降下作戦によって地上・宇宙ともにイニシアティブを失った連邦軍は、ジオン軍のザクⅡに対抗するため、0079年4月に「V作戦」を発動、かねてより進めていた量産型MSの開発(RX計画もその一環)・生産を最優先事項とした。こうして連邦軍が開発したMSが「RGM-79ジム」である。生産性を優先させたため、機体性能は低く抑えられ、結果としてジェネレーター出力が不足し、ビームライフルの装備を断念、簡易版のビームスプレーガンや90mmマシンガンといった銃器類に装備が変更された。大戦末期に大量生産されたジムは、直ちに各部隊に配備され「ソロモン攻略戦」ア・バオア・クー攻防戦」の主戦力として活躍、連邦軍を勝利へと導いた。 5,ザクⅠ,ms-05b.gif,汎用量産型MS。ジオン公国で最初に完成した実戦型MS。一年戦争時、傑作機と言われた「MS-06ザクⅡ」の原型となった。動力伝達系や推進剤搭載量など問題も多いが、小型熱核反応炉を搭載した人型機動兵器を史上初めて実用化したジオニック社の功績は大きい。この「MS-05」の生産は0075年よりジオン本国で極秘裏に進められ、ジオン軍は同年11月には教育機動大隊を編成、MSパイロットの育成が開始された。一年戦争開戦時には、「MS-06CザクⅡ」とともに多数の機体が作戦に参加しているが、主力機はすでに「MS-06」に」移っており、「MS-05」はすでに一世代前の旧式機となっていた。その後、新型機が配備されるにつれ、「MS-05」は後方部隊や補給部隊に回されるようになっていった。 6,ザクⅡ,ms-06f.gif,汎用量産型MS。「MS-06ザクⅡ」シリーズは、ジオンを代表するMSで、汎用性、拡張性、生産性を合わせ持つ非常に完成度の高い機体である。一年戦争時、両軍を通しての生産機数も、ザクタイプが一番多い。このF型は、大戦時に量産されたもっともベーシックなタイプの機体で、宇宙・地上ともに運用が可能である。F型以前は、対核(放射能)用の装備が施された「C型」が量産されていたが、南極条約締結により核兵器の使用が禁止されたため、以後の量産は対核装備を排除したF型に移行された。120mmマシンガン、280mmバズーカ、ヒートトマホークなど様々な武装が用意されており、任務内容によってそれらの装備を使い分けることのできる高い汎用性を有している。その後、多くの新型機が配備されるにつれ旧式化していったものの、高い信頼性を持つF型は終戦まで多くの兵士に支持され続けた。 7,シャア専用ザクⅡ,ms-06s.gif,指揮官用高性能MS。本来MS-06シリーズでは、汎用タイプのC型(後にF型)を発展させ宇宙用高機動機の「R型」を開発・量産する予定だった。しかし、開戦時の時点では、生産性が重視され、改良箇所が多く生産効率の悪いR型は量産が見送られた。一方で従来機ではベテランパイロットたちの能力を十分に生かすことができず、前線では高性能機を求める声が高まっていた。これらの問題を解決すべく開発されたのが「MS-06S」である。主に指揮官クラス用として部隊配備されたS型は、C型の宇宙用高性能チューン機として開発された。つまり、C型の持つ機体ポテンシャルから最大限の性能を引き出したのである。だが、そのために高性能だが非常に扱いにくい機体となっている。 8,グフ,ms-07b.gif,陸戦用量産型MS。陸戦用MSの「MS-06Jザク」は、あくまでザクⅡの陸戦型改良機として開発されたため、問題点も少なくなかった。ジオニック社では「J型」の生産と平行して、問題点を解決した新たな陸戦用MSの開発を進めていた。開戦間もない0079年初頭、完成した試作機は「MS-07グフ」として制式採用される。この機体は「MS-06J」で問題となっていた、コクピット周りの装甲強化や、機体の運動性の向上、近接戦闘用兵器の固定武装化などが行われた。対MS戦を想定し右手に装備されたヒートロッドと呼ばれる兵器は一種のムチで、高圧電流を流すことによって敵MSのパイロット及び電子機器にダメージを与える。汎用性の低い特異な機体だったため、生産機数はそれほど多くない。 9,ドム,ms-09.gif,陸戦用量産型MS。MSの製造メーカーとしてはジオン公国最大のジオニック社、そのライバル会社のツィマッド社が開発した陸戦用MSが「MS-09ドム」である。ドムのコンセプトは画期的なもので、移動速度が遅いというのが陸戦用MSの欠点だったが、ツィマッド社はMSの脚部に「熱核ジェットエンジン」を搭載し、そのジェット噴射によりホバー走行を行うという画期的なコンセプトでその欠点を解消したのである。このコンセプトを実現するに当たって最大の問題となったのは熱核ジェットエンジンの小型化で、これが困難を極めたため、量産開始は大戦中期にずれ込んだのである。戦線に投入されたドムは、ホバー走行により戦場を疾走し、厚い装甲と強力な破壊力を持つジャイアントバズーカによって陸戦用MSの主力機となり、アフリカ、ヨーロッパ戦線を中心に配備が行われた。 10,リック・ドム,ms-09r.gif,宇宙戦用量産型MS。「MS-09Rリックドム」は、開発が遅れていた次期主力MSの穴を埋めるため、暫定的に採用された宇宙戦用MSである。陸戦用MSとして高い性能を持つ「MS-09ドム」の脚部の熱核ジェットエンジンを熱核ロケットエンジンに換装し、他の様々な箇所も宇宙戦闘に適した改良が施されている。完成した試作機とジオニック社の「MS-06R-2」の比較評価試験が行われた結果、機動性・アビオニクスでは今一歩及ばないものの、生産性や機体の扱い安さ、総合性といった点で評価され、リックドムの採用が決定した。こうして一時期ではあるが、宇宙・地上ともにザクシリーズに代わってドムシリーズが主力機として君臨したのである。 11,ゴッグ,msm-03.gif,水陸両用量産型MS。地表の70%を占めるのは海である。地球侵攻を考えた場合、この海の攻略を避けて通ることはできない。だがコロニー国家であるジオン公国にとって、広大な海洋というのは未知の存在であった。このため、水陸両用MSの設計・開発はコンピューターのシミュレーションによって行われ、そのデータを元に実際の機体が製作された。この「MSM-03ゴッグ」を始めとする水陸両用MSは、海水を熱核反応炉の冷却にしようできるため、ジェネレーターは大型なものを搭載することができ、MSでは初めてメガ粒子砲(エネルギーCAPは使用されていない)を装備している。「MSM-03」は水中移動時に両腕を肩に収納し、熱核水流ジェット推進によって高速航行が可能であった。また、頭部から発射されるフリージーヤードと呼ばれるゲル状の対潜兵器無力化物質と厚い装甲のため、上陸作戦における戦果は大きなものがあった。 12,アッガイ,msm-04.gif,水陸両用量産型MS。「MSM-04アッガイ」は、ザクと同タイプのジェネレーターを2基搭載することで、比較的高い出力を得ている。しかしメガ粒子砲は搭載できなかったため、他のMSMシリーズに比べ火力が弱く、大量生産は見送られた。ただ、水中での運動性能は高くないものの比較的陸上での機動性に優れ、機外への熱排出量が少なかった本機は、装甲などに手が加えられステルス性を向上させた隠密偵察用として少数が生産された。また、本機は複座機として使用が可能で、水陸両用MSの訓練用としても使用されたのである。固定武装は左手の105mmマシンガン、右手のロケットランチャーとクローを装備。右腕は伸縮式で、離れた場所から目標にクロー攻撃を加えることができる。 13,シャア専用ズゴック,msm-07s.gif,水陸両用量産型MS。ズゴックに関してはS型=指揮官機という慣例は当てはまらないと言われている。実際、シャア・アズナブル大佐が搭乗するS型も、機体色を除いては一般パイロット用のズゴックとスペック的には差異がなかったことが確認されている。これにはS型が開発された時点で生産ラインが変更されたため、全てのズゴックがS型であるという説がある。 14,ズゴック,msm-07.gif,水陸両用量産型MS。「MSM-03ゴッグ」に次いで制式採用された水陸両用MSが、「MSM-07ズゴック」である。宇宙用高機動機を得意とするMIP社が開発した唯一のMSで、腕部の格闘用クローなどに同社が開発した「モビルアーマー」の技術が生かされている。ズゴックは水陸両用MSの中でも機動性が高く、腕部のクローを用いた対MS戦を得意としていた。このため、連邦がMSを配備するようになった大戦末期の上陸作戦などに多く使用された。そのほか武装として、両腕にメガ粒子砲を、頭部に240mmロケット発射管が6基装備されている。こうした水陸両用MSはユーコン級潜水艦に搭載され、世界中の海で連邦軍の補給線を寸断した。これにより連邦軍の海洋艦隊は壊滅状態に陥り、海はジオン軍の独壇場となったのである。 15,ゾック,msm-10.gif,水陸両用量産型MS。水中戦用MSの中でも、この「MSM-10ゾック」は異色を放つ存在である。外見上手足はついているが、これはほとんど飾りで、実際は局地戦用の移動メガ粒子砲台と言ったほうが適当なMSである。脚部は完全に飾りで、移動は熱核ジェットエンジンによるホバー走行で行われる。湿地帯などの足場の安定しない地域での運用を考慮したためであるが、効果のほどは定かでない。特筆すべきはその武装で、前後方向に4門ずつメガ粒子砲を有し、加えて頭部に1門の計9門を装備している。これだけのメガ粒子砲を維持するため、ジェネレーターも出力3,849kwという巨大なものが使用された。終戦までに3機が製作されたが、実際に戦闘を行ったものは、ジャブロー侵攻作戦に参加した1機のみで、残りの2機のうち1機は輸送中に潜水艦ごと破壊されている。 16,ギャン,yms-15.gif,汎用試作型MS。「YMS-15ギャン」はジオン軍の次期主力MS候補として、「YMS-14ゲルググ」とほぼ同時期に開発が行われた汎用MSである。機体開発を行ったのは、「MS-09ドム」の開発・生産を請け負ったツィマッド社である。同社では初の汎用MSとして開発が進められた「YMS-15」は、対MS戦を想定して特に格闘戦能力に主眼が置かれた。武装にはミサイルやハイドボンブ(機雷)を内蔵した大型シールドとビームサーベルで、後にはビームライフルの装備も検討されていた。非常に操作性に優れ、扱いの容易なMSではあったが、次期主力MSにはビームライフルが装備された「MS-14」が選ばれたため、型式番号から試作機を意味する「Y」の文字が外されることはなかった。 17,シャア専用ゲルググ,yms-14.gif,汎用量産型MS。「MS-14Aゲルググ」の量産にあたりシャア大佐に提供されたのが試作タイプのYMS-14である。彼が残した実働データをフィードバックすることでようやく本格的な量産体制が整い、MS-14Aの型式番号が与えられた機体が生産されたのである。しかし、MS-14系は完成度の高い物であり、MS-14Aの量産に際して大きな仕様変更を必要としなかった。機体各所のクリアランスを見直す程度の改修で、MS-14Aは実戦に投入されることとなったのである。 18,ゲルググ,ms-14a.gif,汎用量産型MS。「MS-14Aゲルググ」は、後の戦略家たちが「ゲルググがもう数ヶ月はやく実戦配備されていれば、戦局は変わっていただろう」と言うほどの高性能機である。「MS-14A」は腰部スカート内と脚部にスラスターを持ち、他を圧倒する機動性と推力を誇り、ジオン軍の量産MSとして初めて、ビームライフルを標準装備している。ゲルググの性能は、連邦軍の量産MS「RGM-79ジム」を遙かに上回るもので、ジオニック社はMS開発の本家として、その底力を見せつけたのである。しかし、ビームライフルの実用化が遅れ、大戦末期になってようやく量産が開始された。結局、量産開始が遅かったため、「MS-14A」はあまり活躍することなく終戦を迎えてしまった。 19,ジオング,msn-02.gif,NT専用試作型MS。「MSN-02」は、ジオン軍が大戦末期に開発していたニュータイプ専用のMSである。究極のMSを目指して開発された「MSN-02」は、その機体の大きさから「ジオン」の名を授かり、「ジオング」と名付けられた。両腕は有線サイコミュ誘導の5連装メガ粒子砲となっており、敵の四方からの攻撃「オールレンジ攻撃」を行うことができる。他にも胴体と頭部にメガ粒子砲を装備しており、頭部はコクピット兼脱出装置として単独行動が可能であった。ア・バオア・クー内のMS工廠で組み立て、調整が行われていたジオングは、脚部ユニットや一部装甲を欠いた状態ながらもシャア・アズナブル大佐の操縦で出撃。連邦軍の「RX-78-2」と死闘を繰り広げた。 20,グラブロ,mam-07.gif,水中戦用試作型MA。水中戦用MAとして開発された「MAM-07グラブロ」は、MSMシリーズと並行して開発された。MSに比べて巨大な機体を持つMAは、リゾート用の海洋コロニー内での実験が困難で、本格的な機体開発は地球降下作戦後、地上で進められた。占領した連邦軍の潜水艦ドックに各パーツを搬入して機体の組立を行ったのである。仮組から、本格的な機体の完成までには1カ月半を要し、テストはメキシコ湾を拠点に行われた。グラブロの航続距離は潜水艦に匹敵し、水中での運動性はそれを上回った。武装はミサイル/魚雷発射管12門、対空/対艦ミサイルランチャーを2基装備している。また、2本の腕による攻撃は非常に強力で、完成した3機のグラブロによって、連邦軍の大西洋艦隊は大きな被害を受けた。 21,ビグロ,ma-05.gif,宇宙戦用量産型MA。「モビルアーマー」とは、「モビルスーツ」と宇宙戦闘艇の中間に位置する機体で、本体に取り付けられた2本の「手」によって、限定的なAMBAC能力を持ち、高い機動性と攻撃力を発揮する。もともとはジオニック社との新兵器採用競争に敗れたMIP社の試作機「MIP-X1]が、その宇宙での高機動性を買われて、新たにMAとして開発が進められることとなったのである。「MA-05ビグロ」は推進器に強力な2基の熱核ロケットエンジンを使用し、機首にはメガ粒子砲を1門、ミサイルランチャーを機首左右に4門ずつ計8問装備している。索敵にはMS同様モノアイ・システムが使用され、ミノフスキー粒子散布下の索敵能力を向上させている。対艦攻撃能力に優れた本機は、少数が生産された。 22,ザクレロ,ma-04x.gif,試作MA。初期に開発された試作モビルアーマー(MA)のうちの1機。MSの汎用性+運動性という開発コンセプトに対し、MAの開発コンセプトは機動力+攻撃力、つまり「高い攻撃力を持った高速・高加速の機動兵器」である。このザクレロは、その開発コンセプト通りに造られた機体で、高いジェネレーター出力を持ち、高出力の拡散ビーム砲を装備する。大出力のスラスターから得られる機動力は申し分ないが、反面あまりにも運動性が低く、攻撃回避能力がいちじるしく悪い。結局ザクレロは1機だけが試作されただけで、量産されなかった。 23,アッザム,max-03.gif,陸戦用試作型MA。あくまでも試験的に製造された地上用モビルアーマー。便宜上「MA」に分類されているが、月面で使用されていた移動式対地攻撃兵器「G87ルナタンク」を地上用に改造しただけにすぎず、移動砲台の域をでていない。ジオン軍ではまだ試験段階にあった「ミノフスキークラフト」装置が搭載されており、短時間ではあるが浮遊移動を行うことができた。武装として、8基の連装メガ粒子砲及び、特殊兵器アッザムリーダーを装備している。アッザムリーダーは強力な電磁波を放出し、敵機の電子回路にダメージを与える兵器である。本来は戦車などの地上車輌を攻撃するためのものだったが、MSに対しても効果的だったようだ。このアッザムは試験的にマ・クベの採掘基地に配備されている。 24,ビグ・ザム,ma-08.gif,対要塞戦用試作型重MA。モビルアーマー「ビグ・ザム」は、一年戦争時の機動兵器としては、大きさ・攻撃力ともに最大の規模を誇る機体である。戦艦を一撃で沈める大型偏向メガ粒子砲を1門と機体の全周囲に28個ものメガ粒子砲を装備し、Iフィールド発生装置が搭載されているため、メガ粒子砲やビームライフルの攻撃を無効にすることすらできた。このように攻撃力・防御力ともに申し分ないが、反面大きな問題もあった。出力35,000kwの高出力ジェネレーターを4基も使用しているため、冷却が追いつかず、ビグ・ザムの稼働時間は20分以下と非常に短いものであったのである。ビグ・ザムには量産計画があり、量産型にはミノフスキークラフトが搭載され、大気圏内での飛行が計画されていたという。 25,ブラウ・ブロ,man-03.gif,NT専用試作型MA。ミノフスキー粒子下でも影響を受けないニュータイプの精神通信(サイコミュ)能力。これを軍事利用した機動兵器が、ジオン軍のニュータイプ研究所「フラナガン機関」では試験的に開発されていた。「MAN-03ブラウ・ブロ」は、ニュータイプ専用機の1号機である。サイコミュシステムの実戦データとパイロットの回収を第一に考えられた本機は、3つのブロックに分離が可能で、それぞれが独自航行能力を有し、誘爆などの事態からコクピットを保護する対策がなされている。機体は小型宇宙艇ほどの大きさがあり、「ニュータイプ」のサイコミュコントロールにより、オールレンジ攻撃が可能な有線式のメガ粒子砲を4門装備していた。 26,エルメス,man-08.gif,NT専用試作型MA。2機目の「ニュータイプ」専用MA。先の「MAN-03ブラウ・ブロ」に対して、この「MAN-08エルメス」は本格的な実戦型使用になっている。固定武装は2門のメガ粒子砲である。だが、これは自衛用の武装にすぎない。エルメスの主武装は機体後部に収められた10基のサイコミュ誘導式攻撃ユニット「ビット」である。このビットは高度なサイコミュシステムにより遠隔操作が可能で、ビーム砲によって目標を攻撃する。このため、エルメスのパイロットは高いニュータイプ能力が要求される。ララァ・スン少尉の操縦による実戦運用では、連邦軍占領後のソロモン宙域で数隻の連邦軍艦艇を沈め、連邦軍兵士たちに「ソロモンの亡霊」と恐れられた。その後ガンダムとの戦闘で撃破され機体は失われたが、エルメスで確立されたサイコミュ技術は後の機体に反映され、キュベレイをはじめとするニュータイプ専用機に受け継がれている。 27,ガンタンクⅡ,rmv-1.gif,局地防衛用MS。MSとしての運用には問題の残る性能である「RX-75」であったが、脚部がキャタピラであることからくる生産性の高さは評価された。その生産性と遠距離射撃能力を活かし、「RX-75ガンタンク量産型」が拠点攻撃用に運用されたのに対し、この「RMV-1ガンタンクⅡ」は局地防衛用に再開発された。「RMV-1」は、MSとしての機能をほとんどすべて削ぎ落とし、戦闘車輌としての機能を最優先して開発されている。そのため、120mm低反動キャノン砲×2、4連装ロケットランチャー×1、3連装ミサイルランチャー×1、60mm機関砲と、固定武装が多く装備され、乗員として操縦者と砲手の2名を必要とする。「RMV-1」は、一年戦争後少数が生産され、ジャブローをはじめとする連邦軍基地に配備された。 28,ガンキャノン重装型,rx-77-3.gif,砲撃戦用MS。「RX-77-2ガンキャノン」の良好な実戦結果を受け、その特徴である遠距離射撃能力を高めるべく開発されたのが、「RX-77-3ガンキャノン重装型」である。機体の基本構造は「RX-77-2」を踏襲し、主兵装を実弾式240mmキャノン砲からより強力なビームキャノン砲に換装している。さらに左腰部にはハンドグレネイドラックを装備、ビームキャノン用のバックパックのため若干の重量増があるものの、戦争終盤に予想された対要塞戦では威力を発揮するものと期待された。しかし、生産コストの高さと戦争終結により、ジャブローで数機が生産されたにとどまった。一年戦争後はジャブローでテストが続けられ、その結果はビームキャノンを搭載した「RGC-83」などに現れている。 29,ジムキャノン,rgc-80.gif,中距離支援用量産型MS。高価で生産効率の悪い「RX-77ガンキャノン」の代替機として開発された砲撃戦用の量産型MS。機体は「RGM-79ジム」をベースに装甲の一部が強化され、右肩には240mmキャノンが1門装備されている。そのほかの武装は基本的にジムと共通だが、中距離での支援攻撃を主任務とするため、ビームサーベルなどの格闘戦用の武装は装備されていない。大戦末期に完成したジムキャノンは、ヨーロッパ戦線やアフリカ戦線を中心に先行生産型が配備され、ジオン軍残存兵力の掃討作戦では一定の戦果を上げた。しかし、機体バランスに欠陥が発見され量産を見送られたため、活躍の期間は短かった。 30,ジムスナイパーカスタム,rgm-79sc.gif,汎用量産型MS。制式採用MSとして量産が決定した「RGM-79ジム」であったが、生産性の向上と低コストかが行われたため、完成した機体のスペックは今ひとつ見劣りする物だった。操縦の大部分はコンピューターがサポートしてくれるため、MSに不慣れなパイロットでも比較的容易に扱うことができたが、反面「RB-79ボール」で経験を積んだ熟練パイロットや、先行量産型のジムで訓練を受けたパイロットたちにとって、その能力を十分に発揮できる機体ではなかったのである。そういったベテランパイロットたちのために、より高性能な機体として少数生産されたのが、「RGM-79SCジムスナイパーカスタム」であった。機体の追従性と機動性が強化され、高出力ジェネレーターの搭載によりビームライフルの使用も可能になっている。 31,G-3ガンダム,rx-78-3.gif,現在「ガンダム」のパーソナルネームで親しまれている、RX-78シリーズは増加試作機も含めて8機制作された。そのうちで実戦に参加したのは、2号機とNT専用機に改修された4号機だけである。しかし戦後間もなく、星一号作戦でアムロ少尉の乗機だったのは2号機ではなく、駆動部にマグネット・コーティングを施し運動性能を高めた3号機だったとする説が雑誌に掲載され話題になった。それによれば、本機は「G-3」という無線コードネームで呼ばれていたという。さらにG-3は運動性だけでなく、熱核融合炉用のレーザー加速器も新型に換装し、2号機以上の性能を実現したというが、真偽の程は定かではない。 32,黒い三連星専用高機動型ザクⅡ,ms-06r-1a.gif,宇宙戦用量産型MS。R-1A型は運用試験において、好成績を収めることに成功した。これを受けて10機のR-1型がR-1A型に改修され、各地の部隊に配備された。本機はその高性能ぶりでジオン、連邦軍の双方を驚かせたが、複雑な構造と調整の難しさが災いしコストが高くなってしまった。その結果、F型のような大量生産には至らず、将兵からは「連邦軍の戦艦を沈めるよりも、R型を手に入れるほうが難しい」と皮肉られるという事態に陥ってしまう。黒い三連星として知られるガイア少尉を小隊長とする特務隊の乗機は、グラナダ工廠で制作されており、機体の細部のディテールが他のものと多少異なっている。 33,ジョニー・ライデン専用高機動型ザクⅡ,ms-06r-2.gif,宇宙戦用試作型MS。本機は次期主力機選定において、ツィマッド社のMS-09Rと争った機体として知られている。一部の性能では優りながらも、コストと生産性を含めた総合的な面では09Rには及ばず、試作機が4機完成した時点で計画中止となってしまった。だがその性能や計画には見るべきところも多く、本機があったからこそ、MS-14が誕生し得たとも言われている。事実、推進剤タンクに関する問題点や推進器の装甲防御などは、MS-14を設計するにあたって非常に参考になったという。しかしすでに06系の機体そのものが性能面で限界に達しており、開発陣はより飛躍した設計を行う必要に迫られていたのであった。 34,ザクキャノン,ms-06k.gif,砲撃戦用量産型MS。ジオン軍が地球侵攻を想定し、一年戦争以前から研究開発を進めていた地上用MSのうちの一つ。型式番号からもわかるとおりザクをベースに再設計された機体で、地上部隊の対空防御用として対空キャノン砲をバックパックに装備している。試作機のテストはサイド3コロニー内で行われ、本格的な生産は一年戦争勃発後、占領したカルフォルニア基地で開始された。ザクからの主な改良点としてモノアイの全周化、固定武装の180mmキャノンなどが挙げられる。当初は対空防御用として運用されていたが、180mmキャノン砲が対MS用の支援砲撃にも有効なことが判明し、その後は対空防御用としてよりも砲撃戦用MSとしての運用が中心となった。 35,ザク強行偵察型,ms-06e.gif,汎用MS。「MS-06Eザク強行偵察型」は、MS06タイプの機動力を活かした戦略偵察機として開発された機体である。「MS-06F」から兵装に必要な部分を極力削除した機体は、代わりに推進剤スペースを10%増加、機体各部に探知システムを装着したものになっている。最大の特徴である頭部モノアイシステムは、もともとの接近戦用のカメラが大口径の高精度望遠タイプに換装され、それに伴いガラスシールドを排除したものである。また、モノアイゲージに縦ロールを追加し、カメラ可動部分の範囲が広げられている。両肩に1基ずつ、腰の関節ブロック前方に1基設置されたカメラや、機体左右胸部の緊急離脱用ロケットなど、偵察任務に特化された機体は連邦にも評価され、一年戦争終結後も接収された機体が使用された。 36,ザク・マリンタイプ,ms-06m.gif,水陸両用MS。ジオン軍は、一年戦争開始前から地球侵攻作戦における海洋制圧を重視し、水中行動が可能なMSの開発を進めていた。当初はMS-06系を水中戦が可能な機体へ改良する計画が立てられたが、司令部が要求するスペックを満たすことはできなかった。このため、06系の改良型は「MS-06Mザク・マリンタイプ」の名称を与えられ、水中推進用の水流エンジンと水中戦用兵装のデータ収集のため、実戦投入された。製作された7機の「MS-06M」は、北大西洋の潜水艦部隊に配備され、戦果はともかく、データ収集という点では成果を残している。 37,ザクタンク,ms-06v.gif,作業用MS。「ザクタンク」は、ジオン軍の制式MSではなく、工場で生産された物ではないため一つとして同じ機体は存在しない。もともとは地上の前線部隊が戦闘によって脚部の破壊されたザクの上半身と、マゼラアタックの車体(マゼラベース)を組み合わせて作った作業用マシンだった。作業用マシンとしてMSのマニピュレーター制御の効能は大きく、中でも補給のままならない前線部隊ではこのようなリサイクル機は非常に重宝されたのである。そのため非公式な機体ではあるが、軍司令部でも奨励したため、多くの部隊で「ザクタンク」が製作された。基本的には前線基地での設営作業や、MSの移動・運搬に使われた「ザクタンク」ではあるが、中には武装を施し、戦闘に使用する部隊もあった。 38,グフ飛行試験型,ms-07h.gif,陸戦用試作型MS。「MS-07Bグフ」の配備が行われるのと同時に、移動力を向上させるためMSに飛行能力を与えるプランがアイザック・ウーヤミック大佐によって提案された。このプランは直ちに実行に移され、グフをベースにした飛行試験機が数機試作されたのである。「MS-07H」は飛行試験型の1号機であり、サイド3で製作された後、アリゾナのフラットネイル基地へ運ばれてテストを受けた。胸部を中心に強化された推進システムを持つH型は、背部のロケットバーニアに加え、腰にも同様の2基の推進器が設けられている。しかし、機体各部の軽量化と同時に進められたこれらの処置をもってしても推力が不足したため、「MS-07H4」までのテストはすべて失敗に終わったのである。だが、それらの実験データは「MS-09」のホバー走行開発に大いに役立った。 39,ゲルググ高機動型,ms-14b.gif,宇宙戦用量産型MS。ゲルググは設計当初から機体各部の徹底的なユニットかが行われた。これは生産ラインの分業化と、生産段階でのオプション追加による仕様変更を容易にするための配慮である。これにより「MS-14A」の生産ラインを大きく変更することなく、B型やC型の機体生産が可能になった。この「MS-14B」は、「MS-14A」の背部をパネルごとバックパックに換装したもので、「ゲルググ高機動型」と呼ばれる。膨大な初期加速が必要とされる一撃離脱作戦などに使用され、エースパイロットを中心に配備された先行量産型のYMS-14の中にもこのB型仕様の機体は多かった。多くのトップエースが搭乗していたことも手伝い、B型はエースパイロット用の機体というイメージが強い。写真の機体カラーリングは、ジョニー・ライデン専用機である。 40,ゲルググキャノン,ms-14c.gif,砲撃戦用量産型MS。ビームライフルの標準装備が前提とされていたゲルググだが、機体の開発に比べビームライフルの開発は難航、先行量産型の「YMS-14」の完成時には、ビームライフルはまだ試作の段階であった。開発の遅れたビームライフルの完成を待たず、バックパック方式のビームキャノンを装備した機体が「MS-14C」である。C型はキャノン砲を装備するにあたり、頭部ユニットの再設計を行い、専用の照準器を追加している。キャノン砲はパイロットの操縦系とは独立しており、半自動で索敵・射撃を行うことができた。右腕部のオプションポートには近距離戦用に小型の3連ミサイルランチャーが装備され、逆の腕にはランチャーのカウンターウェイトとしてバックラーシールドを装備している。主なパイロットには、ジェラルド・サカイが知られている。 41,アッグガイ,msm-04n.gif,水陸両用MS。ジオン公国軍の水陸両用型MS。ジャブロー攻撃用に開発されたMSの一種で、格闘戦に重点を置いているのが特徴。 42,ゾゴック,msm-08.gif,調査中。。 43,アクトザク,ms-11.gif,汎用MS。一年戦争後半、ジオン軍は次期主力MSとして様々な機体を開発していた。「MS-11アクトザク」は、MS-06系の設計を洗い直し、総合的な運動性能を向上させた機体である。この機体の開発計画は、これまで運用されていたMSのうち、もっとも汎用性に富み、信頼性も高いMS-06系を正常進化させるというコンセプトから生まれた。実験的ではあるが、関節部を電磁気で包むことで、理論的にメカニック的な緩衝を打ち消すことができるマグネット・コーティング処理が施されており、テストでも優秀な性能を示した。終戦のためジオン軍はこの機体を量産することはできなかったが、戦後その性能の優秀さが認められ、生産施設を押収した連邦の手で量産されることになり、北米のオーガスタ研究所に配備された。 44,量産型(陸戦型)ガンダム,rx-79g.gif,陸戦用MS。試作機であるRXシリーズの製作過程で生じた余剰パーツを利用して生産された機体。ジオンの地球侵攻によって奪われた、数々の重要拠点の奪回を計った連邦軍は、地上戦力強化のため、量産MS「RGM-79」の生産に先行して、このRX-79(G)を生産した。ジェネレーターなどにRXシリーズの物を流用しているため基本性能は高く、ビームライフルの使用も可能である。しかし、個々の機体性能には若干のバラつきがあり、簡素化のためコアブロックシステムも廃止されている。地上での運用が前提のため、宇宙戦闘能力はなく、小型のシールドや弾薬/補給物資運搬用の兵装コンテナなど、地上での運用に適した装備が施されている。20機程度が生産され、半数は東南アジアの機械化大隊に配備された。 45,ガンダムイージーエイト,rx-79ez-8.gif,陸戦用MS。「RX-79(G)ガンダム」は量産機ではあるものの、試作機であるRXシリーズの製作過程で生じた余剰パーツを流用して生産された機体である。そのため、前線に配備された「RX-79(G)」20数機分の修理用パーツは十分に確保されていない状態であった。前線の各基地では、機体構造の近い「RGM-79(G)」などの部品を流用することでこの事態に対処し、結果としてカスタムタイプ・ガンダムが数多く生まれたのである。「Ez-8(Extra-Zero-8)」と呼称されるこの機体も、東南アジアの機械化混成大隊に配備されていた機体が大破したため、大規模修理を機にカスタマイズしたものである。胸部に12.7mm対歩兵用旋回式バルカン、頭部に35mm機関砲が新設され、各部の装甲形状を変更することで、対弾性の向上と軽量化が図られている。 46,陸戦型ジム,rgm-79g.gif,陸戦用MS。量産が決定した「RGM-79ジム」に先行して、深刻な事態にある地球の各線戦用に急生産された地上戦用のジム。「RX-79(G)」とともに地球上の重要拠点に配備された。ジェネレーターを安価で低出力なものに換装するなど、高価なRXシリーズに比べ各所にコスト削減が計られているが、一方で装甲材にルナチタニウム合金を使用するなど、のちの量産型よりは、むしろガンダムタイプに近い機体となっている。ジェネレーター出力が低いため、ビームライフルの使用はできないが、100mmマシンガン、ロケットランチャーなどオプション武装は充実している。連邦軍本部の南米ジャブローで生産されたこれらの機体は、各部隊に配備が進められた。同じ先行量産機では宇宙型の「RGM-79E」がある。 47,ジムスナイパー,rgm-79gs.gif,陸戦用MS。RGM-79(G)地上用ジムのカラーバリエーションの一つ。ジムスナイパーの呼称は、このカーキ色を基調としたジムが、長距離のビームライフルを装備し、狙撃任務に就いたことによる。装備以外の性能では、通常の陸戦用ジムと特別に変わる部分はない。RGM-79SCジムスナイパーカスタムやRGM-79ジムスナイパーⅡとはまったく別の機体である。 48,量産型ガンタンク,rx-75.gif,砲撃戦用MS。「RX計画」により最初に開発されたRXタイプMS。極秘に入手したジオンのモビルスーツ「ザク」の断片的な情報をもとに開発された試作機をもとに、最終的に生産された量産型は対要塞戦などに実戦投入された。歩行システムが完成する前に造られたMSであるため、脚ではなくキャタピラによって走行する。また、マニピュレーターを持たないため、人型兵器としての有用性はなく、MSというより戦車に近い機体となっている。このガンタンク量産型は、コストのかかるコアブロックシステムを廃したため、パイロットの生存率や戦闘データ回収率は低いものの、上半身を回転させることが可能となっている。また、バックパックに装備された大型の自動砲弾装填システムによって、砲撃戦時のより柔軟な運用が可能となっている。 50,先行型ジム,rgm-79e.gif,汎用型MS。RGM-79(E)先行型ジムはRGM-79系MSのミッシングリンクに位置する謎多き機体といえる。フォルムは後発のRGM-79Cに酷似しながら、RGM-79の一般的な投入時期よりもはるかに以前に配備されていた点が、本機の不明瞭さを深めている。RGM-79(G)の宇宙仕様とする説もあるが、形状の違いなどから全く別の機体だったとする説も存在し、その真相は未だ謎の部分が多い。 51,ザク高機動試験機,ms-06rd4.gif,テスト用MS。一年戦争中盤、ジオン軍は開発の遅れていた次期主力MS「MS-14」が完成するまでの間、連邦MSと渡り合える宇宙戦用MSの開発を急がせていた。軍司令部は、生産ラインの流用できるMS-06系とMS-09系の改修型を候補として想定し、各種の試験を行った。「MS-06RD4」は、「MS-06FザクⅡ」の上半身と「MS-09」の脚部をベースに開発された試作機である。軍は、「MS-09」の脚部ホバー機構を宇宙用スラスターに換装すると、どの程度の機動性能を得られるかをテストするため、この機体を製作した。ザクの上半身を使用しているのは、陸戦型のドムが宇宙用のアビオニクスを持たないためである。月面グラナダ基地で製造されたあと、戦術実験部隊に引き渡された機体は、トライアル中に交戦、破壊されるまでに、多くのデータを残している。 52,ザクⅡ陸戦型,ms-06j.gif,陸戦用量産型MS。資源、国力で劣るジオン公国が、地球連邦政府に対し独立戦争を挑むためには新兵器「モビルスーツ」の絶対数を確保する必要があった。このためMSの量産に当たり、第一に考えられたのが生産性である。この「MS-06J」は、将来的な地上戦用機の必要性を考え、主力汎用MS「MS-06C(のちのF)」に最小限の改良を加えるだけで製作可能な陸戦用MSとして開発された。機体の大部分のパーツはC型と共通で、地上の重力下ではデッドウェイトとなるスラスター類を削減、脚部サスペンションの強化や、ジェネレーターの冷却システムを空冷式に変えるなどの改良が加えられている。地球降下作戦後、J型の量産は占領した地上の生産施設に移され、地上の様々な戦場で使用された。 53,ザクⅠ(トップ機),ms-05b-top.gif,汎用量産型MS。U.C.0079.11のオデッサ戦以後に極東地区に落ち延びてきたトップ小隊の隊長機として確認された機体。注目すべきは本機と共に部隊を構成した他の機体がMS-06Jだった点である。一般的には性能が劣ることから後継機のMS-06に主力機の座を譲ったとされる本機だが、状況次第ではMS-06との連携が可能であり、愛機としてこの機体を選ぶパイロットもいたのである。 54,ザクⅡJ型(アス機),ms-06j-asu.gif,陸戦用量産型MS。右肩関節と左膝の装甲が欠損し、動力パイプの保護パーツもいくつか失われている。それら以外に目に見える損傷はなく、デル機に比べれば程度は若干ながら良かったと言える。右肩部のシールドが失われており、連邦軍のMSから奪った盾からエンブレムを外して装備していた。 55,ザクⅡJ型(デル機),ms-06j-dell.gif,陸戦用量産型MS。左肩と腰部の装甲が激しく損傷し、右肩部シールドの表面にも抉り取られたような跡がついていた。小隊の3機の中で、もっとも損傷の度合いが激しい機体だった。腰部からランドセルに繋がる動力パイプの片方がちぎれて垂れ下がった状態だったが、稼働不能には至らなかったようである。 56,ザクタンク,ms-06v.gif,作業用MS。一年戦争中後期にかけて、戦闘の激化した前線では、補給もままならないことが多かった。とくにMSは精密な部品が多く、前線の応急処置にも限界があった。「ザクタンク」は、こういった前線の整備事情と、工作作業用機の必要から生まれたMSである。「ザクタンク」とは戦闘によって脚部を破壊されたザクの上半身と、マゼラアタックの車体(マゼラ・ベース)を組み合わせて作られた再生機の総称であり、兵士たちの付けた愛称でもあった。機体は、部隊によって様々なバリエーションが存在する。この「MS-05」の上半身を使用した機体からは武装がはずされ、ドーザーブレードやロングマニピュレーターが取り付けられた完全な作業用マシンとなっている。 57,グフ・カスタム,ms-07b3.gif,陸戦用量産型MS。もともとは宇宙用の改修機に過ぎない「MS-06J」に代わる新たな地上戦用MSとして開発されたのが、「MS-07Bグフ」である。しかし、対MS戦闘のため、接近戦闘兵器の固定武装化が行われた結果、MSの利点であった汎用性が失われてしまった。「MS-07B3」は、その反省を生かして、汎用性の確保と遠距離戦闘性能の向上を目指してチューニングされた機体である。B3型は、従来5連マシンガンを内装していた左手を通常のマニピュレーターに戻し(代わりに外付け3連装35mmガトリンク砲を装備)、汎用性の回復を図っている。また、格闘戦移行時には簡単に着脱できる75mmガトリンク砲を装着したガトリンクシールドや、ロッド径を細くして有効射程を延ばしたヒートロッドなどを装備し、オールラウンドの戦闘特性を持つ機体に至っている。 58,グフ飛行試験型(8号機),ms-07h8.gif,陸戦用試作型MS。MS飛行実験機として試作された「グフ飛行試験型」の8番目の改良型が「MS-07H8」である。実験飛行中に爆発してしまったものの、比較的良好な結果が得られた「MS-07H4」の設計コンセプトを継承しつつ、細部に改良が施され、数機が試作されている。バックパックと腰部のスラスターをより強力なものに換装し、脚部の熱核ジェットエンジンも出力の高いものが使用された。バックパックとスカートアーマーに取り付けられた可動式の安定翼により空中での姿勢制御能力も向上している。しかし、スラスターの推進剤の搭載量限界や熱核ジェットエンジンの冷却問題は依然として残っており、高速で高度をとった飛行を行うと飛行時間は極度に短くなる。 59,ドム,ms-09.gif,陸戦用量産型MS。脚部に熱核ジェットエンジンを搭載し、そのジェット噴射によりホバー走行を行うという画期的なアイデアで、陸戦用MSの移動速度の遅さという欠点を解消したMS-09ドムは、厚い走行と強力な火器(ジャイアント・バズーカ)を装備したことで、一躍ジオン軍の地上戦力の主役となった。アフリカ、ヨーロッパ戦線を中心に広く配備されたドムだが、市街地、砂漠、寒冷地などの戦地によって様々なカラーバリエーションが存在する。これもMS-09の汎用性の高さを物語るものであろう。このドムはアジア方面の戦線で確認されたものである。 60,アプサラス,apsaras.gif,拠点攻撃用試作型MA。スペースコロニーを地球に落とすことで、連邦軍司令本部がある南米ジャブロー基地を消滅させる予定だったブリティッシュ作戦失敗後も、ジオン軍はジャブローを落とすための計画をいくつか立てていた。試作MA「アプサラス」はそんな中でもっとも実現性の高い計画にそって作られた機体である。「アプサラス」が完成すれば、ミノフスキークラフトを利用しての宇宙からの侵攻降下でジャブロー基地に一気に近づき、高出力メガ粒子砲で基地を、それを守る堅い岩盤ごと破壊することが可能と考えられた。アプサラスはまず実験機として2機が製作された。「MS-06」の部品を流用し、アジアのMS開発基地で完成した機体は極秘裏にテストされ、完成機のための貴重なデータを収集するのに役立ったのである。1号機はミノフスキー・クラフトによる飛翔データ収集を目的とするため戦闘能力はない。外見は2号機と同じだが、大型メガ粒子砲はダミーである。 61,アプサラスⅡ,..,拠点攻撃用試作型MA。アプサラスⅠに続き、テストベッド機として改修された機体。メガ粒子砲も実際に搭載され、射爆場で発砲テストも行われた。ただし、テスト中に連邦極東方面軍コジマ大隊所属第08MS小隊の待ち伏せに会い、山岳地帯に不時着を余儀なくされた。最終的には機密漏洩を恐れたパイロットが自爆させている。 62,アプサラスⅢ,apsaras3.gif,拠点攻撃用MA。実験機であるアプサラスの1号機と2号機での最大の問題点は、飛行推進に使われていたミノフスキークラフトシステムであった。ミノフスキー理論を利用してプラズマを発生させ、揚力と推進力を発生させるシステムは電力を大量に必要とするため、ジェネレーターの発電量が間に合わなかったのである。しかも、完成機である3号機では機体の安定を図るため、ミノフスキークラフトシステムを2基搭載される予定となっていた。結局「MS-09RⅡ」のジェネレーター3基を流用することで問題を解決した3号機は戦闘で失われた1号機と、3号機の部品取りに使われた2号機のデータをもとに完成した。しかし、遅すぎた完成により3号機がジャブローの空に浮かぶことはなく、第08MS小隊所属のEz8にコクピットを破壊され、撃破されている。 63,アレックス,rx-78nt1.gif,NT専用試作型MS。「RX-78NT1」は、ホワイトベース隊所属のニュータイプとうわさされたパイロット、アムロ・レイ少尉専用に開発された機体である。型式番号の“NT”はニュータイプ専用機であることを意味するが、同じニュータイプ専用とはいえ、ジオン軍が研究していた「サイコミュ」技術を利用した機体とは性質が異なる。マグネットコーティング(駆動系の摩擦抵抗を軽減する磁気皮膜処理)技術などにより気体の反応速度や追従性を向上させ、レイ少尉の操縦能力を制約しないことによって、そのニュータイプ能力に対応しようとしたのである。また、コクピットには全周囲モニターを採用したため、コアブロックシステムは導入されていない。 64,アレックス・チョバムアーマー仕様,rx-78nt1-fa.gif,NT専用試作型MS。「RX-78NT1-FA」とは、「RX-78NT1アレックス」に追加装甲としてチョバムアーマー(複合装甲=ハイブリットアーマーとも呼ばれる)を装着した状態のことを言い、型式番号の「FA」はフルアーマーを意味する。対弾性向上を目的とした追加装甲は、すでにRX-78の計画段階から構想としてあった「フルアーマーオペレーション」の産物で、これを装備すると全重量は95tにも跳ね上がった。この重量増加による機動性の低下を補うため、アーマーにも補助のスラスターが装備されている。MSの売りである機動性を低下させてまで装甲を強化するのは本末転倒な話だが、サイズ的にIフィールド発生機を装備できないMSにとって、このような追加装甲システムが有効だったのも事実である。 65,ジム(寒冷地仕様),rgm-79d.gif,汎用量産型MS。本機は寒冷地で運用されることを前提に生産配備された、RGM-79の派生型の一つ。G型の直接の原型機であり、そのため頭部および推進器を除いて各種装甲板は共通のものを使用している。背部の推進器は初期生産型を再設計したもので、推力に変化はないが設計自体が冗長性に優れていた。このため、その改良型が戦後に生産されたC型に装備されたのである。本機は、連邦陸軍の保有していたジムの中でも最も遠距離通信能力に秀でており、連携作戦での運用に非常に適していた。複数機による戦闘単位でのMS運用が、連邦軍の特徴である。駆動部の氷結防止システムも性能は良好で、本機は対戦末期のヴァイコヌール基地攻防戦にも投入された。 66,ジム・コマンド(コロニー戦仕様),rgm-79g.gif,戦後、短い期間ではあるがRMS-179ジムⅡとともに連邦軍の主力機であったRGM-79Cジム改の原型機が、このG型である。本機は主に重力下環境での治安任務を目的に開発されており、原型機であるD型とともにRGM-79の設計段階から枝分かれした、いわば兄弟機のようなものだ。このため、ジム自体の実戦投入が宇宙世紀0079年11月下旬であったにも拘わらず、本機とその宇宙戦仕様のGS型もわずかな差で実戦部隊へ配備が実施された。ただ、被弾経始を向上させた装甲形状の生産に手間がかかってしまい、大戦末期ということもあって生産機数は非常に少ない。主武装は光学兵器ではなく、実体弾機関砲である。 67,ジム・コマンド(宇宙戦仕様),rgm-79gs.gif,宇宙戦用量産型MS。ジムコマンドは連邦軍の制式採用MS「RGM-79SCジムスナイパーカスタム」などの高性能機の改良技術を生かし、ジムを改良して基本性能の向上が図られている。ジムは地上・宇宙共に運用が可能な汎用機であったが、ジムコマンドは運用地によって装備の違う2タイプが作られた。宇宙戦用の「RGM-79GS」は、宇宙用の大出力スラスターのついたバックパックが装備されるなど、ジムとは外見も大きく異なる。また、無重力下での行動に不必要な装備を排除、余剰スペースを姿勢制御バーニアや推進材のタンクに使用している。姉妹機にコロニー防御用の「RGM-79G」があり、装甲などのコンポーネントを共有している「RGM-79Dジム寒冷地仕様」がある。ジムコマンドは生産開始時期が遅く、ジムに比べてコストが上がっているため、生産された機数はそれほど多くない。 68,ジムスナイパーⅡ,rgm-79sp.gif,汎用量産型MS。ジムの性能向上機である「RGM-79SCジムスナイパーカスタム」をさらに改良・強化したのが、この「RGM-79SPジムスナイパーⅡ」である。高性能化するジオン軍のMSに対抗するため、機体ポテンシャルの限界まで性能が引き上げられている。遠距離狙撃を可能とするため、特徴的な頭部のバイザーには精密射撃用のレーザーセンサーと電子光学式高倍率カメラを装備。装甲材の一部にはルナチタニウム合金を使用し、スラスターも大型で大推力のものに換装されている。ビームライフルも装備可能であり、攻撃力・防御力・機動力のどれにおいてもジム・シリーズの中で最高級の性能を誇る。しかし、生産が大戦末期だったことやその高コストが災いし、生産数は非常に少ない。 69,ガンキャノン量産型,rx-77d.gif,中距離支援用量産型MS。「RX-77D」は、支援砲撃用のMSとして開発された{RX-77-2ガンキャノン」の良好な実戦結果を受け、量産型として開発/生産されたMSである。量産化にあたりコスト高騰の原因となるコアブロックシステムは省略され、装甲材もルナチタニウム合金から安価なチタン・セラミック複合材に変更された。このようなコスト削減とともに、{RX-77-2」でのノウハウが生かされ、機体各所に改良が施されている。スラスターや姿勢制御バーニアは増設され、宇宙空間での機動性の向上が図られた。また、2門の240mmキャノンの砲身が、近距離戦闘の際の邪魔にならないよう伸縮してバックパックに収納されるなど、さまざまな配慮がなされている。 70,ザクⅡ改,ms-06fz.gif,汎用量産型MS。「MS-06FZザクⅡ改」は、ジオン軍のMS生産改善プラン「統合整備計画」に沿って名機である「MS-06FザクⅡ」を改修して作られた機体である。新型機種と部品を共有することにより、生産性と信頼性は高いが新機種に比べて性能面で見劣りのする「MS-06F」の性能向上を図っている。FZ型は、コクピットシステムの改修やスラスター類の増強により運動性能はF型より向上した。反面、スラスターの大型化にともない推進剤の消費量が増えたのに推進剤の総量は増えなかったため、戦闘可能時間は半分に落ちてしまっている。 71,ハイゴッグ,msm-03c.gif,水陸両用量産型MS。「MSM-03ゴッグ」は一年戦争初期に開発されたため、陸上での行動時間が限られているなど、いくつかの欠点があった。大戦末期、一年戦争中に飛躍的に向上したMS開発の技術を生かすべく、ゴッグの機体設計を行って誕生したのが「MSM-03Cハイゴッグ」である。水中航行形態の改良や主推進器の配置変更などが行われたため、外観は原型のゴッグとはかなり異なるものとなった。ゴッグでは腹部にあったメガ粒子砲も、ハイゴッグでは腕部に発射口が移され、よりフレキシブルな攻撃が行えるようになっている。同時に、腕部に取り付ける専用武装としてハンドミサイルユニットが開発された。これはMSの携行するミサイルとしては極めて大型であり、水中航行時に支障が出ないよう保護カバーも含めた装備となっている。 72,ズゴックE(エクスペリメント),msm-07e.gif,水陸両用量産型MS。「MSM-07E」は「MSM-07ズゴック」を改良し、水中/地上両面での作戦遂行能力を高める目的で、大戦末期に少数が試験生産された機体である。主な改良点は、「MSM-03ゴッグ」と同様の、四肢を縮める機構が採用されたことと、背中にあった主推進器が脚部へと移動されたことで、これらにより整流効果が高まり水中移動速度が大幅に向上した。火力面も見直しが行われ、両腕に装備されたビームカノンにはエネルギーCAPシステムを導入し、出力/連射性ともに初期生産型の上を行く性能を得ている。また、ビームカノンの採用により陸上戦時の火力は申し分ないものとなったため、初期生産型に装備されていた頭部のミサイルは魚雷に換装され、水中時の対艦攻撃能力向上が図られている。 73,リック・ドムⅡ,ms-09r2.gif,宇宙戦用量産型MS。熱核ジェットホバーによる高速移動という新しいコンセプトで、地上の局地戦用MSとして成功を収めた「MS-09ドム」。ジオン軍はMS-09のトータルバランスの高さに目を付け、熱核ジェットエンジンを熱核ロケットエンジンに換装することにより、宇宙戦用の「MS-09Rリックドム」を産み出した。この「MS-09R」が予想以上の戦果を上げたため、ジオン軍はMS-09Rのさらなる性能の向上を目指して大幅な改良を行った。この改良は、他機種とのパーツの共用や生産性の向上を目的とした、MS生産改良プラン「統合整備計画」にのっとって行われた。RⅡ型にはジェネレーター、スラスターのチューンナップおよび姿勢制御バーニアの増設による機動性の向上や、プロペラントタンクの装備による行動時間の延長などといった改良がなされている。しかし、生産が戦争末期だったため実戦参加した機体は少ない。 74,ゲルググJ(イェーガー),ms-14jg.gif,汎用量産型MS。多用化したMSの生産ラインを再編成し、できる限り他機種とのパーツ、生産ラインの共用を可能にするために実施されたジオン軍のMS生産改善プラン「統合整備計画」。「MS-14JGゲルググJ(イェーガー)」は、この統合整備計画によって開発・生産されたMSである。先行して量産が進められていた他のMS-14シリーズとは、外観・構造ともに少なからず相違点が見られ、スペック的にも1ランク上の仕上がりとなっている。特にスラスター推力は大幅に増強され、総推力値は他のMSの追随を許さないものとなっている。ビームライフルも射撃精度が高い最新型のものを装備しており、別名「ゲルググ狙撃型」と呼ばれることもあった。MS-14シリーズの中でもっとも後期の生産型のため、生産機数はきわめて少ない。 75,ケンプファー,ms-18e.gif,強襲用試作型重MS。「MS-18E」は、一年戦争後期に開発された機体の1つである。機体名称の「ケンプファー」は独語で“闘士”という意味で、その名前どおりこれまでの汎用機とは異なる強襲用MSとして開発された。全身に配置された姿勢制御バーニアと、大推力のスラスターにより得られる高機動性を生かし、攻撃ポイントに急速接近、多数装備した火器による一斉攻撃を加え、即座に戦場から離れる。この一撃離脱戦法は有効な作戦であったが、推進剤を激しく消費するため、「MS-18E」には、他のMSに比べ戦闘持続時間が短いという欠点があった。「MS-18E」は優れた機体であったが、開発が完了してすぐに終戦を迎えたことにより脚光を浴びる事はなかった。 76,リーア35ドラケンE,riah35draken-e.gif,小型MS。連邦軍のサイド6駐留部隊、通称「リーア軍」が使用するMMS(ミドルモビルスーツ)。2重下腕支のマニピュレーターを使用し、限界まで小型化すればビームサーベルを扱うことも可能である。対人・対物を相手とするには十分であるが、通常のMSに対しては戦力にならないといっていいだろう。 77,ガンダム試作1号機ゼフィランサス,rx-78gp01.gif,汎用試作型MS。「RX-78ガンダム」の直系にあたるMS。一年戦争後連邦軍では、コーウェン中将による指揮のもと、戦争中の傑作機「ガンダム」をベースとした高性能試作MSの開発計画「ガンダム開発計画」が進められた。GP01はその産物である。GP01は究極の汎用MSを目指して開発された。パーツを換装することによって、重力下・無重力下を問わず、常に高性能が発揮できるように設計されているのである。機体各所にセンサー類やコントロールシステムが設置されており、試作機らしさを漂わせている。また、先のRXシリーズ同様のコア・ブロック・システムを採用している。武装としてビームライフル、ビームサーベルなどを持ち、白兵戦・格闘戦を得意とする。 78,ガンダム試作1号機フルバーニアン,rx-78gp01fb.gif,宇宙戦用試作MS。GP01の宇宙空間仕様。Fullburnian=フルバーニアンと呼称される。陸戦仕様のGP01に姿勢制御バーニアやスラスター、強化装甲などの宇宙用装備が追加されている。それに伴い、コア・ブロックを形成するコアファイターⅡも宇宙仕様へと改装されている。フルバーニアンの最大の特徴は、バックパックに取り付けられたブースターポッドである。このブースターはフレキシブルジョイントで連結されており、推力方向をほぼ無制限に変えることができる。これによって、フルバーニアンは他に類を見ない機動性・運動性を得た機体となっている。非情に高いレベルで性能バランスがとれた機体であり、0083年当時における最強のMSと評価していいだろう。 79,ガンダム試作3号機デンドロ・ビウム,efsf.gif,拠点防御用試作MS。「GP03デンドロビウム」は旧ジオン軍のモビルアーマーのような、大火力と高機動力を兼ね備える機動兵器として開発された。デンドロビウムの主任務は、宇宙空間における拠点防御である。機体上部のウェポンコンテナには必要に応じてさまざまなオプション武装が搭載され、対艦攻撃や対MS戦など、あらゆる戦術状況への対応を可能とする。その戦力は極めて高く、1機でMS大隊に匹敵する。機体右側には戦艦の主砲並みの破壊力をもつメガビーム砲が、機体左側にはビーム兵器による攻撃を無効化するIフィールドジェネレーターが、取り付けられている。 80,ガンダム試作3号機ステイメン,rx-78gp03s.gif,宇宙戦用試作MS。大型MA「デンドロビウム」のコアユニット(コクピット兼脱出システム)として開発された機体である。GP03ステイメンは、武器コンテナ、推進器、大型ビーム砲などからなるアームドベース「オーキス」と合体、デンドロビウムというシステムを形成する。この機体は単体のMSとしても高い性能を持つ。腰部に取り付けられたテールバインダーは、GP01Fbのブースターポッド同様、広い可動範囲をもち、高い運動性を実現している。オーキスのウェポンコンテナとの連携により、多彩な武装の運用を可能とする。フォールディング・バズーカやフォールディング・シールドなど折りたたみ式のものが多い。 81,ジム改,rgm-79c.gif,汎用MS。一年戦争後にバージョンアップされた「RGM-79ジム」の改良量産型。「ジムコマンド」や「スナイパーカスタム」といった機体はジムを改良・強化した、いわば上級機だが、この「RGM-79C」はあくまでも量産機であり、U.C.0083年の時点ではジムの量産ラインはすべてこの「C型」となっている。ジェネレーターは以前のままだが、スラスターの総推力と機体の運動性能が若干強化されている。「ザクⅡと同程度の性能しかない」という酷評を受けてきたジムだが、この改良によりそういった非難は収まった。このあと、「RGM-79RジムⅡ」が登場するまでの期間、ジム改は連邦軍の主力MSとして量産されている。 82,パワード・ジム,rgm-79.gif,テスト用MS。「RGM-79パワード・ジム」は単独の型式番号を持っていない。これは、この機体がガンダムGPシリーズの開発のためのパーツテスト機だからであり、オレンジとホワイトという機体色もテスト機であることを示している。「RGM-79C」をベースとした機体には、スラスター推力が大幅に引き上げられたバックパック“パワード・パック”(これはパワード・ジムという名称のもととなった)、脚部に強化されたショックアブソーバが装備されている。これらは地上での機動性向上を狙って装備されたものであり、ここで得られたデータは「RX-78GP01」重力化仕様にフィードバックされた。素体であるジムの機体設計上で想定されていないパワーアップのため、追加された装備の制御ユニットは外部に露出している。 83,ジム・キャノンⅡ,rgc-83.gif,砲撃戦用MS。量産が見送られた「RGC-80ジムキャノン」の改良量産機。改良とはいうものの、その機体コンセプトは「RX-77ガンキャノン」に近いものとして設計されており、実質は名前だけを継承した別の機種といえる。高出力のジェネレーターを搭載したことにより、中距離支援用兵器としてビームキャノン2門の装備を可能としている。装甲には「RX-78-NT1」でのテスト結果を受け、中距離支援MSに最適と判断されたチョバムアーマーコンセプトが採用された。火力・防御の両面が大幅に強化された機体であるが、重量増加による機動性の低下は否めない。ジムカスタム同様、この機体も一年戦争後に開発されたもので、生産数は非常に少ない。 84,ジム・カスタム,rgm-79n.gif,汎用MS。エースパイロット用として開発されたジムの性能向上型である。一年戦争終結後、ジオン軍のMS技術を吸収した連邦軍は、各種の新型MSの開発に着手した。この「ジム・カスタム」は、その中でもずば抜けた高性能を持つにいたった機体である。「スナイパーカスタム」のように装甲や火力を強化するのではなく、あくまでトータルの機体性能の向上が図られている。機体各所に設置された姿勢制御バーニアにより高い運動性能を得ており、ガンダムタイプなみのジェネレーター出力によって、携行ビーム兵器も問題なく使用することができる。ガンダムタイプを除けば、最高水準の機体性能を持つMSといえる。反面、生産コストが高く量産機とされているものの総生産数は極端に少ない。 85,ボール改修型,rb-79c.gif,支援用モビルポッド。一年戦争後も細々と生き残ることとなった本機だが、改修によって性能向上が図られたとは言っても、本機が劇的な進歩を見せたわけではなかった。本機の改修は小規模なものに留まっているが、間に合わせ的な兵器としての性格を考えれば致し方なかったと言える。 86,ガンダム試作2号機サイサリス,rx-78gp02a.gif,戦術汎用試作MS。「ガンダム開発計画」によって造られた2機目のMS。南極条約によって使用が禁止された核兵器だが、その戦略/戦術上の重要性は、ミノフスキー粒子環境下においても非常に高かった。このGP02Aは「各攻撃能力を有した強襲型MS」として開発されたものである。右肩部に取り付けられたアトミックバズーカにより、Mk.82核弾頭を発射する。アトミックバズーカは射程が短いため、GP02Aには核爆発下での生存性が求められた。そのため発射後の急速離脱を可能とする大型スラスターを複数持つ。また、核爆発に巻き込まれた場合を想定、装甲には耐衝撃・耐熱処理が施されており、強制冷却装置を内蔵した専用大型シールドなどを装備する。 87,ザクⅡ後期型,ms-06f2.gif,汎用MS。史上初の純戦闘用MSとして開発された「MS-06FザクⅡ」は、その汎用性の高さや扱いやすさから前線の兵士からも愛された。基本性能の優秀さゆえ、用途や活動地域に合わせたバリエーションも数多く作られ、一年戦争を通じてジオン軍でもっとも多く生産された機体となったのである。「MS-06F2」は、後期生産型であり、機体の軽量化とジェネレーター出力の向上を中心に改修がなされている。また、「MS-06F」の弱点であったコクピットハッチ周辺の装甲も強化されており、同時期に登場した連邦軍の「RGM-79ジム」初期型に匹敵する性能を実現している。一年戦争終結後は、地球連邦軍に接収され、ジオン製MSの運用データ収集のために使用された。 89,ザメル,yms-16m.gif,砲撃陸戦用MS。ジオン軍の陸戦用、中・長距離支援型MS。非常に大型の機体だが、脚部とスカートに設置された大推力の熱核ジェットエンジンを使用したホバー走行により、高速で移動を行うことができる。MSとして、一応腕もついてはいるが、ほとんどお飾りであり「移動砲台」の形容がピッタリくる重MSである。主武装の680mmカノン砲は、機体の全高よりも長い砲身を持つため、通常は二つ折りの状態で携行される。射撃の際は機体を停止状態にして、長距離射撃の命中精度を高める。格闘戦や近距離戦用の武装は装備されていないため、基本的に接近戦は行わない。コクピットは複座式前方に操縦者が座り、砲撃手は後方で火器オペレーションを行う。 90,ドラッツェ,ms-21c.gif,宇宙戦用MS。ジオン軍残党のデラーズ・フリートが独自に開発したMS。しかし、実際には破壊されたMSなどのパーツをつなぎ合わせて作ったリサイクルMSにすぎない。胴体はMS-06で、それに宇宙戦闘機などのスラスターを装着している。脚部はプロペラントタンク兼スラスターとなっており、機動性はそれなりに高い。ただし、MSというよりはモビルアーマーに近い機体のため、AMBAC機能はないも同然で運動性はきわめて低い。両肩に取り付けられたスラスターポッドは、その運動性を補うためのものである。資源不足の中、苦肉の策として間に合わせMSにすぎないため、生産機数も30機前後と少ない。 91,ノイエ・ジール,amx-002.gif,試作MA。ジオン軍残党のアクシズ軍によって製造された試作MA。一年戦争当時から製造計画は存在しており、小惑星アクシズに逃げのびた旧ジオン軍の技術者達の手によって製造された、当時最高水準の機動兵器である。大出力のジェネレーターを搭載し、機体各所にメガ粒子砲を装備する。クローアームは有線誘導が可能であり、コンピューターによる半自動コントロールで、ニュータイプ以外でもオールレンジ攻撃を行うことができる。さらにこの機体には、Iフィールドジェネレーターが装備されており、対ビームバリアによるビーム攻撃の無効化も実現している。ノイエ・ジールはデラーズ紛争の際に、アクシズ先遣部隊の手によってデラーズ・フリートに譲渡されている。 92,ゲルググマリーネ,ms-14f.gif,汎用量産型MS。ジオン軍の最終量産機、「MS-14ゲルググ」の海兵隊仕様がこの「MS-14Fゲルググマリーネ」である。F型は海兵隊用にカスタム・調整された機体で、スラスターの推力が強化され、それにともないプロペラントタンクが増設された。スペック的には「MS-14JG」と「MS-14B」の中間に位置する機体となっている。武装はツインビームソードが、使い勝ってのよいビームサーベルに変えられているほか、両腕部に110mm速射砲が装備されている。また、コスト削減のため、シールドなどはザクの肩部シールドを手持ちに改造したものが使われている。「MS-14JG」と比べてコストパフォーマンスに優れていたため、かなりの数が生産されている。 93,ゲルググマリーネ指揮官型,ms-14fs.gif,指揮官用高性能機。「MS-14ゲルググ」の海兵隊仕様である「MS-14Fゲルググマリーネ」の指揮官用。F型には通常の量産型と、Fs型と呼ばれる指揮官用の機体が存在し、その仕様は細部で異なる。指揮官用のFs型は通常型に比べてジェネレーター出力がわずかに高く、スラスター総推力も高くなっている。そしてそれに伴って胸部の冷却装置が改良された。また、頭部には指揮官であることを意味するロッドアンテナが、頭部横には40mmバルカンがオプションで装備され、シールドも専用のものが用意されている。優秀な機体ではあるが、F型と比べて格段と生産性が落ちるため、生産機数は少ない。 94,ガーベラ・テトラ,agx-04.gif,宇宙戦用MS。このガーベラ・テトラは、本来「ガンダム試作4号機/GP04」になるはずだった機体である。「ガンダム開発計画」がアナハイム社に依頼された際、GP04は白兵・格闘戦に主眼が置かれた宇宙戦用のMSとして開発が開始された。しかし、開発コンセプトが一部GP01と重なることもあり、GP04の依頼はキャンセル、開発段階の機体はそのままお蔵入りするはずだったが、アナハイム社常務のオサリバンとシーマの密約でシーマ艦隊に譲渡された。肩部に大型スラスターを搭載することで運動性の向上を実現。さらに、ガーベラ・テトラには専用装備オプション装備として、プロペラントタンクとスラスターユニットを一体化した「シュツルム・ブースター」が用意されている。これを装備することによりガーベラ・テトラの機動性は格段に向上し、MS単体としては、トップクラスの機動性・加速性を誇っている。 95,ヴァル・ヴァロ,ma-06.gif,宇宙戦用MA。大戦末期にジオン軍が開発したMA。基本的には「MA-05ビグロ」の改良機である。MA-05では対艦攻撃に主眼がおかれていたが、このヴァル・ヴァロは対MS戦闘も考慮に入れて開発されている。機体後部に装備されたプラズマリーダーは「MAX-03アッザム」に装備されていたアッザムリーダーの発展型で、機体から射出された後敵MSの近くで強力な電磁波を放出し、MSの電子回路にダメージを与える兵器である。ほかにも大型メガ粒子砲やビームガン、格闘戦用のクローアームなどを装備し、総合面ではMA-05をはるかに上回る性能を持つ。大戦末期に完成したため、終戦までにロールアウトしたのは、わずかに数機にすぎない。 96,ガンダムMk-Ⅱ,rx-178.gif,汎用試作型MS。ティターンズによって開発されたガンダムMk-Ⅱは3機製造されたが、エゥーゴの活動により、最終的に3機共奪取される結果となった。エゥーゴにおいては、1機がパーツ運用の目的などから解体され、本格的に戦場に投入されたのは、3号機にあたる機体のみであった。この際、機体色が改められている。フライングアーマーは、アナハイム・エレクトロニクス社が、Zガンダム開発計画「Z計画」の一環として開発した大気圏突入システムの試作品。ガンダムMk-Ⅱと組み合わせることで、大気圏突入時に従来のシステムと比べて格段に高い戦闘能力を発揮した。地球上では、サブフライトシステムとしても使用できる。 97,スーパーガンダム,rx-178fxa-05d.gif,試作MS支援戦闘機装着型。ガンダムMk-ⅡとGディフェンサーの合体の機体は通称スーパーガンダムと呼ばれる。またMk-Ⅱを収納した航行形態はGフライヤーと呼称される。合体により、14連ミサイルポッドや大出力のロングライフルの使用が可能となり、火力面が大きくパワーアップした。またGディフェンサーは、追加装甲や大推力のスラスターとしての機能も果たした。このため、単独の性能では、ティターンズの可変MSなどに遅れをとるようにもなっていたガンダムMk-Ⅱであったが、グリプス戦役の集結まで、最前線に投入され続けた。 98,百式,msn-100.gif,攻撃用試作型MS。「Z計画」において、Zガンダムの設計候補案の1つであった試作MS。予定されていた可変機構は、導入が困難であったため廃止されたが、基本性能が優秀だったので、非変形の機体として再設計された。リックディアス、ガンダムMk-Ⅱ、ネモなどの運用データに基づいて開発されており、ムーバブルフレームや背部のウイングバインダーの採用により、最高水準の運動性能を誇る。武装は、リックディアスやネモなどと共用化が図られている。Zガンダム用の武器として、試作されたメガ・バズーカ・ランチャーとの連携も幾度か行われている。 99,Zガンダム,msz-006.gif,攻撃用試作型可変MS。エゥーゴとアナハイム社のZプロジェクトにより開発された可変MS。単独での大気圏突入能力を有し、既存のMSをはるかに越えるポテンシャルを誇っている。武装もビームライフル、ビームサーベル、グレネードランチャーなど多彩で、単体のMSとしては屈指の攻撃力を持つ。大出力のハイパーメガランチャーの使用も可能である。変形機構の要となる背部フライングアーマーは、ロングテール・バーニア・スタビライザーを装備し、これによる反動の吸収性の良さからMS形態においても高い運動性能を持つ。後にバイオセンサーシステムが搭載され、機体の追従性が飛躍的に向上した。 100,ウェイブライダー,waverider.gif,攻撃用試作型可変MS。Zガンダムが大気圏に突入する際に変形する形態。ウェイブライダーの呼称は、機体下面にショックウェーブを形成し、その圧縮した衝撃波によって揚力を得ることができることからきてる。MS形態からの変形は瞬時に行うことができ、MS時に使用する武器は、ウェイブライダー形態でも、ほとんどがそのまま使用できる。また、可動式のブースターにより、他の可変MS/MA以上に機動性は高く、大気圏突入時だけでなく、航空・航宙戦闘機として運用した場合でも、高い能力を発揮することができる形態となっている。 101,リック・ディアス,rms-099.gif,攻撃用量産型MS。アナハイム社とエゥーゴが極秘裏に開発した機体。RMS-099はカムフラージュのための型式番号であり、MSA-009が本来の番号である。装甲材としてガンダリウムγを使用した初めてのMSで、機体の大幅な軽量化に成功した。このことにより、内蔵プロペラント量の増加も実現している。旧ジオン公国出身の技術者が中心となって開発されており、バーニアの性能、ミノフスキー粒子下でのセンサー能力など、従来の連邦軍MSとは一線を画する機体となっている。ビームピストル、クレイバズーカ、バルカンファランクスなど武装も多彩であり、多数が戦場に投入された。 102,メタス,msa-005.gif,攻撃用試作型可変MS。Z計画試作MSの一機。計画初期段階の機体であり、変形機構そのものの検証のために試作された。エゥーゴ初の可変MS。MA形態時には、航宙戦闘機として高い攻撃力を持つ。運動性、加速性能も充分であったが、ビームサーベルやライフルが独自規格のものであるなど、MSとしての性能や整備性は中途半端で、試作機の域を出ていない。しかし、各ユニットの生産性は高く、機体損傷時のレストア自体は簡便な機体であった。 103,ネモ,msa-003.gif,迎撃用量産型MS。RGM-79Rの後継・発展機として、開発された機体。実際にはほとんどエゥーゴの専用機として量産されている。ビームライフルはジムⅡ、ビームサーベルはリックディアスのものと、武装は従来のものからの流用だが、ジェネレーター出力や装甲材(ガンダリウム合金)などの基本性能は、ジムⅡやハイザックと比べてはるかに優秀である。ジム系MSの常として、汎用性、生産性が高く、グリプス戦役におけるエゥーゴの主戦力として多数が戦場に投入された。 104,Jr.モビルスーツ,jr-ms.gif,  105,ディジェ,msk-008.gif,攻撃用試作型MS。リック・ディアスをベースとして、開発された地上用試作MS。地球の反連邦組織カラバが、エゥーゴの技術提供によって完成された機体。リック・ディアス同様に、開発には旧ジオン系開発者が多く関わっている。背部の大型放熱フィンが特徴的。地球上で開発されたということもあり、大気圏内での機動性は高いものを持っている。ビームライフルなどの火器は、リック・ディアスや百式などから流用することが多い。その他の武器としては、ビームナギナタを持つ。 106,ガンダムMk-Ⅱ(ティターンズ),rx-178t.gif,汎用試作型MS。ティターンズが、専用の次期主力戦力としてグリプス1で独自に開発を進めていたMS。一年戦争の名機RX-78ガンダムをベースとして設計されており、非常に高いポテンシャルを持った機体となっている。本格的なムーバブルフレームを初めて採用したことで、高い運動性能を誇る。汎用型だが、ティターンズ専用として開発されたため、コロニー内戦闘を重視した設計となっている。そのためバーニアの性能が高く、それまでのMSと比べ、大気中や重力がある場所でも高い機動性が発揮することができる。一方、装甲に旧世代の素材(チタン合金+セラミック複合材)を使用しているなどの欠点もある。試作機が3号機まで製造された。 107,ハイザック,rms-106.gif,汎用量産型MS。一年戦争後、連邦軍が初めて開発、量産した機体。設計の基本コンセプトは、旧ジオン公国軍のMS-06ザクに基づいている。その意味では、新型というよりはザクの改良型に近いといえる。しかし、新型の軽量パワージェネレーターの開発により、ザクと比較して、装甲の強化と大幅な軽量化に成功している。また、軽量化の結果、プロペラントの積載量の増加、バーニア性能の向上もあって、宇宙での機動性は著しく上昇している。操作性とメンテナンス性の高さは長所だが、複数のビーム兵器を同時にドライブできないという欠点を持つ。リニアシート、360度全天モニター等を最初に採用したMSであり、その後のモビルスーツの標準型ともいえる。 108,ハイザック・カスタム,rms-106cs.gif,狙撃用試作型MS。RMS-106ハイザックの改良機。大型の狙撃用ビームランチャーを携行し、長距離からのビーム射撃が可能となっている。武器以外の装備では、大型のシールドの追加によって防御力が向上。またバックパックを大型のものへ換装したことにより、通常のハイザックと比較して、機動性の向上も実現している。配備数は、ごく少数である。俗称として「隠れハイザック」とも呼ばれる。 109,マラサイ,rms-108.gif,汎用量産型MS。アナハイム社が開発したMS。RMS-106ハイザックの発展型として設計されており、武器の一部共用化なども図られている。装甲にガンダリウム合金を使用、ジェネレーター出力を向上させたことにより、複数のビーム兵器の使用も可能となり、ハイザックの1ランク上の性能を実現している。性能のトータルバランスが良く、汎用性に富んだ機体である。また、生産性や運用性が他機種と比べて高いことが評価され、比較的多数が戦場に投入された。連邦軍、主にティターンズに供給されている。 110,ギャプラン,orx-005.gif,汎用試作型可変MA。連邦軍が開発した可変MA。オークランドのニュータイプ研究所でテスト飛行を行っていた。大気圏内においては高高度迎撃用の機体として使用されているが、本来は宇宙用に開発された機体である。地球上で飛行した場合、プロペラントの消費が激しいため、長距離の航続にはブースターの使用が不可欠である。MA形態時にはほとんどの推力を後方に向けることで、爆発的な加速が得られる。またアクティブスラスターユニットの採用により、機首方向を変えることなく、急激に方向転換を行うことも可能であり、機動性能は非常に高い。しかし、その際にかかるGにはほとんどの一般人パイロットが耐えられない。このためテスト飛行は、強化人間パイロットで行われた。 111,バーザム,rms-154.gif,汎用量産型MS。連邦軍によって、ジムなどに代わる主力MSとして開発された機体。高性能だが、コストや運用の面で多くの問題を抱えていた多くの可変MS・MAなどと比べると、格段に扱いやすい機体となっている。汎用型MSとして開発されており、ビームライフルなどの専用武器も用意されているが、ほとんどの武器をハイザック、マラサイ、GMⅡなどの他のMSと共用できるようになっている。ガンダムMk-Ⅱを参考としているため、基本性能は高い。生産性も優秀だったが、突出して優れている部分もない。そのためか本格的な量産までには至らなかった。 112,サイコ・ガンダム,mrx-009.gif,NT専用試作型可変MA。日本のムラサメ研究所で開発された可変MA。連邦軍初の本格的なNT専用の機体であり、火器管制や機体のコントロールにサイコミュを導入している。200t以上の超大型機だが、MA形態時には、ミノフスキークラフトを使用して、地球上を長時間の飛行することも可能である。胴部の大型拡散メガ粒子砲3門、両手指内蔵のメガビーム砲10門など、本体に強力な火器を多数搭載している。MS同士の1対1の戦いよりは、広範囲のせん滅を主目的とした機体といえる。 113,サイコガンダムMk-Ⅱ,mrx-010.gif,NT専用試作型可変MA。MRX-009サイコ・ガンダムの発展型として開発された機体。サイコミュを用いたリフレクタービットや有線ビームソードを装備したことにより、さらに進化したオールレンジ攻撃を可能としている。また、全身に20門以上のメガ粒子砲を装備するなど、MS単体としては最強レベルの火力を持ち、モビル・フォートレスの異名を持つ。グリプス戦役において、ゼダンの門を巡る攻防の際損壊し、機体は最終的にネオ・ジオンによって回収された。 114,バイアラン,rx-160.gif,局地戦用試作型MS。連邦軍が開発したMS。両肩と腰部を初めとした、全身に大推力のスラスターが装備されている。また他のMSと比較して、本体に膨大なプロペラントを積載することが可能なため、補助装置を使用したり、変形することなく、MS単独で大気圏内飛行を行うことができる。スラスターを換装すれば、空間戦闘においても通常のMSを上回る加速性を発揮する。しかし、武装がビームサーベル以外には内蔵のメガ粒子砲のみと、強力だがバリエーションにとぼしく、運用の問題もあって量産化にはいたらなかった。 115,ガブスレイ,rx-110.gif,可変試作型MS。連邦軍が開発した可変MS。設計はパプテマス・シロッコの主導による。MA形態時には、全身のスラスターが後方に集中し、飛躍的に機動性が向上する。変形時に露出する脚部のムーバブルフレームは、クローアームとしての使用も可能で、MA形態時においても、高い接近・格闘戦能力を有する。長距離のフェンダーインライフルやフレキシブルに可動するメガ粒子砲等、その他の武装も充実しており、遠・近距離とも高い戦闘能力を誇る。しかし、変形機構の複雑さが災いして量産には向かず、戦線には試作機のみが投入された。 116,バウンド・ドッグ,nrx-055.gif,NT専用試作型可変MA。連邦軍が開発したNT専用可変MA。オーガスタ研究所で、サイコミュの調整が行われた。一般パイロットによる操縦も可能ではあるが、機体性能を引き出すためには強化人間やニュータイプによる運用が不可欠となる。MS/MA形態ともにかなり特異なフォルムを持ち、ともすれば鈍重なイメージもあるが、実際の運動性能はかなり高い。特にMA形態の加速性と防御能力は圧倒的であり、実験機ではあるが、かなり戦闘力の高い機体である。NRX-055-1~3の3機が製造されている。055-1はプロトタイプであり、この機体のみ実験オペレーターが搭乗する副操縦士(コ・パイ)席が存在する。 117,ハンブラビ,rx-139.gif,可変試作型MS。連邦軍が開発した可変MS。全身に5つのモノアイセンサーを持ち、MS/MA両形態で、索敵を無理なく行うことができる。機体各所に装備されたスタビライザーによって、高い運動性を得ている。またMA時に全身が短縮されるため、慣性モーメントが航宙戦闘機並みになり、さらに機動性が向上する。武装としては、MA形態時に使用する背中のレール付き大型ビームガンやガブスレイなどと同型のフェンダーインライフルの他、部隊単位で運営され、ターゲットに電撃攻撃を仕掛ける「海ヘビ」などの特殊武器も使用する。またMA形態でも腕部の自由度が高く、近接戦闘にも優れた機体である。 118,メッサーラ,pmx-000.gif,汎用試作型可変MA。木星から資源を運ぶ巨大輸送船ジュピトリスの指揮官パプテマス・シロッコが、ジュピトリス内で完成させたハンドメイドの可変MA。木星の大重力に対応した大推力スラスターを搭載しているため、MS形態時には30mを越える大型の機体となっている。MA形態時には非常に優秀な機動性を発揮する。大型メガ粒子砲2門やミサイルポッドなど、戦艦並みの火器を装備。またMSに変形することで、大型ビームサーベルやバイスクロー、、グレネードランチャーなどが扱え、中~近接距離においても高い戦闘能力を発揮する。1機のみ製造された。 119,パラス・アテネ,pmx-001.gif,汎用試作型重MS。ジュピトリスで製作された2機目のMS。可変機構は持たず、純粋な攻撃力を重視した重MSとなっている。本体に4門のビーム砲と脚部クローを装備する。オプションとして、対艦船用の大型ミサイル、2連装ビームガン、バインダーミサイルなどを持ち、他の標準MSの数倍の兵器を装備することができる。火力では戦艦や大型MAにも匹敵するが、機動性能は標準の域を出ず、その巨体のため運動性が犠牲となっている。1機のみが製造された。 120,ボリノーク・サマーン,pmx-002.gif,汎用試作型MS。ジュピトリスで製造された3台目のMS。可変機構は持たず、MSとしての性能は標準的。格闘戦用の武装が充実しており、近接戦闘に威力を発揮する機体である。特徴的な頭部のレドームは複合探知システムとなっている。また腕部にも強力なセンサーが装備されており、全般的に偵察/索敵能力にすぐれている。スラスターの推力も高く、強行偵察を想定して開発されたと思われる。他のジュピトリス製MSと同じく、1機のみが製造された。 121,ジ・オ,pmx-003.gif,局地戦用試作型重MS。ジュピトリス製重MS。設計思想が非常に実験的であり、四重、五重の関節や近接戦闘用の隠し腕など、機体構造自体他のMSと異なる部分が多い。サイコミュの一種であるバイオコンピュータも装備されている。全身に50基の姿勢制御バーニアを内蔵しており、その巨体にもかかわらず機動性/運動性は非常に高い。武装はビームライフル、ビームサーベルと種類は少ないが、高出力ジェネレーターによるパワーと厚い装甲により、戦闘能力は非常に高い。 122,アッシマー,nrx-004.gif,汎用試作型可変MA。連邦軍が開発した大気圏内用可変MA。地球上でサブフライトシステムなどの補助機器を使わない、単体での飛行に成功した初の機体。可変部にはマグネットコーティング技術が用いられているため、MS/MA両形態の変形は極めて短時間に行われる。これにより、接近戦と飛行・空戦の両方を可能としている。MA形態は、その独特の円盤形のフォルムにより、耐久性/耐弾性が高い。加えてスピード、運動性能ともにかなりのレベルに達しており、武装は大型ビームライフルのみながら、大気圏内での戦闘能力は非常に高いといえる。当初は北米のみに配備されたが、主にティターンズの部隊に配備されるようになり、ダカールの警備部隊などにあてられた。 123,ジムⅡ,rgm-179.gif,汎用量産型MS。一年戦争当時に連邦軍で量産されたRGM-79ジムの後継機として、同機体を改修、量産した機体。基本設計は、まったく同じものとなっている。ジェネレーター出力やスラスター推進力の多少の向上が図られた他、コクピットへのリニアシートの導入、センサー類、装甲材の強化のどの改良がみられる。しかし旧型機をベースとしている限界上、生産性は高いものの、基本性能はそれほど向上していない。グリプスで製造されたタイプの型式番号はRGM-179、地上で生産された機体の型式番号がRGM-79Rとなっている。 124,ガルバルディβ,rms-117.gif,局地戦用MS。旧公国軍が開発していたMS-17ガルバルディαを一年戦争終結後、連邦軍が接収、改修して使用した機体。改修によって機体の軽量化や運動性・機動性の強化が図られている。もともとは局地戦を想定して設計された機体であり、その運動性能はハイザックなどと比較しても高い。反面、その装甲は薄くなっており、装甲の素材自体(チタン合金)も旧世代のものであるため、防御力は極めて低い機体となっている。主にルナツー方面の連邦軍に配備された。 125,ガザC,amx-003.gif,量産型可変MS。ジオン公国残党によって結成されたアクシズが独自に設計・開発を行った可変MS。作業用MSのガザA・ガザBを基本として、攻撃能力を持つMSとして開発された機体。アクシズでの型式番号は「MMT-1」。可変機構を含め、従来のMSの開発思想からはまったく異なるコンセプトから生まれている。そのためか、連邦の可変機とは違い、生産性は非常に高い。グリプス戦役時には、アクシズ先遣隊の主力として、100機以上が量産・配備されている。 126,キュベレイ,amx-004.gif,NT専用試作型MS。アクシズ製のNT専用MS。旧ジオン軍のMAN-08エルメスのMS化を基本コンセプトとして開発された。サイコミュの搭載により、機体制御と遠隔攻撃端末ファンネルの操作を行う。両肩のバインダーは独立して可動し、これにより宇宙空間での高い機動性を得ている。エルメスのビットを元に開発されたファンネルはエネルギーCAPシステムを採用したため、ジェネレーターを内蔵するビットと比べ、小型軽量である。しかし稼働時間は短くなったため、長時間の戦闘ではファンネルポッドでのエネルギー再充填が必要となる。 127,ZZガンダム,msz-010.gif,可変合体MS。「Zプロジェクト」に基づき、エゥーゴとアナハイム社が共同で開発した可変MS。RX-78ガンダムで使用されたコアブロックシステムを採用したことにより、分離・合体・変形を可能としている。ハイメガキャノン、2連装メガ・ビームライフル、ハイパービームサーベルといった高出力ビーム兵器を多数搭載し、高い戦闘能力を誇る。反面、エネルギーの消費が激しい機体であり、長時間の戦闘には耐えられないという欠点を抱える。 128,Gフォートレス,g-fortress.gif,可変合体MS。MSZ-010ZZガンダムが変形した重戦闘爆撃機形態。MS形態と比較して、巡航距離が飛躍的に上昇する。コア・ファイターを運用することにより、コアトップ(上半身パーツ+コア・ファイター)、コアベース(下半身パーツ+コア・ファイター)の2機の戦闘兵器に分離して活動を行うことも可能である。 129,強化型ZZガンダム,msz-010b.gif,可変合体MS。MSN-010ZZガンダムをフルアーマー化するに際し、本体の強化を図った機体。追加装甲や武装の増設にあわせ、本体の一部装甲の換装、スラスターの大型化、大型バックパックの装着等が行われている。 130,フルアーマーZZガンダム,fa-010s.gif,可変合体MS。MSN-010ZZガンダムは、複雑な変形機構のため構造上脆弱という問題を抱えていた。この欠点を補うために、追加装甲を装備した機体がFA-010Sである。改修点は、装甲の追加だけにはとどまらず、装甲部のオプションを含め、実弾系の武装を中心とした大量の火器が増設されている。さらに、これらの増設兵器を組み込んだまま、Gフォートレスに変形することも可能となっている。 131,ジムⅢ,rgm-86r.gif,量産型MS。地球連邦軍の量産型MS。一年戦争時の主力機であったRGM-79ジムの発展型機。後継機として開発されたRGM-79RジムⅡは、マイナーチェンジにとどまったものだったが、この機体は生産性の高さを維持しつつも、新技術を積極的に取り入れて開発されている。ジム系のMSとして汎用性が高い機体であるが、肩部や腰部に各種ミサイルを装備することが可能で、支援用MSとしての位置づけも確立している。 132,ジャムル・フィン,ama-01x.gif,可変MA。ネオジオンが開発した可変MA。開発中の胴体部に仮設の頭部、手足を付けた機体であり、最終的な完成体には至っていない。オプションのメガブースターとドッキングすることにより、長距離移動と高機動戦闘を可能としている。さらに核パルスエンジンを搭載した大型の超長距離航行用ブースターとの合体も可能であり、木星環境下といった状況の長期作戦行動にも対応した機体である。 133,キュベレイMk-Ⅱ,amx-004-2.gif,NT専用MS。ネオ・ジオンの実質的指導者ハマーン・カーンの乗機AMX-004キュベレイ(試作1号機)を改良した機体。2号機(エルピー・プル専用機)と3号機(プル・ツー専用機)の2機の製造、戦線投入が確認されている。機体のカラーリング以外では、1号機から大きく変わった部位は存在しない。腕部のビーム砲兼ビームサーベルが三方向への拡散たいぷになっている等、細かな変更のみにとどめたマイナーチェンジ機といえる。なお、3号機はサイコミュ・コントローラーを使用しての外部からの遠隔操作が可能になっている。 134,キュベレイMk-Ⅱ(プル・ツー機),amx-004-3.gif,NT専用MS。ネオ・ジオンの実質的指導者ハマーン・カーンの乗機AMX-004キュベレイ(試作1号機)を改良した機体。2号機(エルピー・プル専用機)と3号機(プル・ツー専用機)の2機の製造、戦線投入が確認されている。機体のカラーリング以外では、1号機から大きく変わった部位は存在しない。腕部のビーム砲兼ビームサーベルが三方向への拡散たいぷになっている等、細かな変更のみにとどめたマイナーチェンジ機といえる。なお、3号機はサイコミュ・コントローラーを使用しての外部からの遠隔操作が可能になっている。 135,量産型キュベレイ,amx-004g.gif,NT専用量産型MS。AMX-004キュベレイの量産タイプ。クローニング技術によるニュータイプ兵士の量産化=NT部隊の実用化に伴い、第1次ネオジオン戦役終盤において戦線に大量に投入された。量産機ではあるが、性能は、オリジナルのAMX-004より向上しており、機体背部へのアクティブカノン砲の装備やファンネルコンテナの大型化による搭載可能なファンネル数の大幅な増加など、火力・武装面の向上が図られた機体である。機体のカラーリングは、黒が大多数であるが、戦線に投入された初期には、機体色がグレーのものも確認されている。 136,ガザD,amx-006.gif,量産型可変MS。ネオ・ジオン軍(アクシズ)初の量産型MS、AMX-003ガザCの発展型として開発された機体。基本的な機体変形機構がガザCと同一であるため、生産ラインを新たに作る必要がなく、一部の部品的変更のみで量産が可能である。このため、ガザCに代わるネオジオン宇宙軍の主力MSとして、第1次ネオ・ジオン戦争の全般を通じて使用されている。武装関係が見直しにより、全般的に火力の増強化が図られている。ガザCと比較して、特にMS形態での戦闘力が向上している。 137,ガ・ゾウム,amx-008.gif,量産型可変MS。AMX-003ガザC、AMX-004ガザDの系統につながるネオジオンの量産型可変MS。実質的にガザシリーズの最終機体となっている。主武装には、ガザC・ガザDのナックルバスターに代えて、出力を向上させたハイパーナックルバスターを標準で携行する。肩部には、大型の9連装ミサイルランチャー×2などのオプション兵器が装備可能であり、さまざまな戦闘局面に対応する。従来のガザシリーズの武装面の強化を中心に開発されており、汎用性に優れたガザDと比較して、より攻撃面を重視した機体である。 138,ドライセン,amx-009.gif,量産型重MS。ネオジオンが地球降下作戦に際し、AMX-101ガルスJ、AMX-102ズサとともに開発した重MS。フォルムからもわかるように、一年戦争当時に多大な戦果をあげたジオン公国のMS-09ドムの系列につながるMSである。トライブレード、ビームトマホークといった独特の兵器を装備し、白兵戦を得意とする。本来は、地球での戦闘を想定した陸戦用のMSであるが、基本性能の高さから宇宙戦においても十分な戦闘力を発揮する。そのため、汎用型MSとして量産化され、配備された。 139,ザクⅢ,amx-011.gif,試作MS。ジオン公国のMS-05・MS-06ザク系の最新型を目指して、開発された機体。基本能力の高い機体本体に、武装・バックパック・追加アーマー等のオプション兵装を装備することで、あらゆる作戦に対応する、という開発コンセプトもザク系のそれに酷似するものである。ネオジオンの主力量産機を目指して開発が行われたが、ほぼ同時期に開発が進行していたAMX-014ドーベンウルフとの機種選定競争に敗れ、量産ベースにのることはなかった。数機の試作機が製造されている。 140,ザクⅢ改,amx-011s.gif,試作MS。AMX-011Sは「ザクⅢ改」と呼称されるが、正確には改修機ではない。リアアーマーや大型のバックパックの追加がなされているが、これらは、もともとAMX-011のオプション兵装として用意されていたものであり、むしろこちらがザクⅢの本来の姿ということもできる。頭部口吻部のメガ粒子砲が排除され、代わりに側頭部に30mmバルカン砲が装備された以外には、AMX-011からの改修点は特にない。追加の兵装により、推力・火力・燃料積載量は、大幅に増強されている。 141,ドーベン・ウルフ,amx-014.gif,NT専用MS。簡易サイコミュシステム(インコム)を装備したネオジオンの量産型MS。簡易サイコミュでは、コンピューター制御により擬似的にサイコミュを再現するため、パイロットのNT能力の多寡を問わずオールレンジ攻撃が可能である。単体でメガランチャーの運用も可能であり、総合火力は極めて高い。ネオジオンがグリプス戦役の際接収したMRX-010サイコガンダムMk-Ⅱの設計思想が導入された機体であり、機体各所のメガ粒子砲や有線コントロール(一部機種では無線)で射出が可能な腕など、共通する点も多い。 142,ゲーマルク,amx-015.gif,NT専用MS。NT・強化人間専用機として開発された機体。主要な火器を内蔵し、機体単体で高い攻撃力を有するMSである。また、マザーファンネルと呼ばれるこの機体特有のサイコミュ兵器を持つ。マザーファンネルはジェネレーターを備え、独立したファンネルとして稼働すると同時に、サイコミュの中継装置として、内蔵したチルドファンネルの展開を行う役目も果たす。このシステムにより、ゲーマルクは超長距離からのオールレンジ攻撃を可能としている。 143,ガルスJ,amx-101.gif,量産型MS。ネオ・ジオンが地球侵攻用に開発した陸戦用MS。ほぼ同時期に開発されたAMX-009ドライセンと比較すると、総合的な能力は一歩譲るものの、生産性の高さが評価され、多数が量産され戦場に投入されている。都市攻略戦における、遠距離攻撃後の制圧行動に主眼をおいて開発されている。そのため軍事行動においては、支援型のMS、特にAMX-102ズサと共同作戦をとることを前提としている。 144,ズサ,amx-102.gif,支援用量産型MS。AMX-101ガルスJと共同しての作戦行動を前提として開発された支援用MS。後方支援と強襲攻撃を主任務とする機体であり、機体各所に数十発のミサイルを内蔵するほか、ミサイルポッドを増設することも可能である。背部に大型ブースターを装着することで大気圏内飛行も可能となる。ブースターやミサイルポッドを外すことによって白兵戦にも対応できるが、基本的には突撃艇の性格が強いMSである。 145,ハンマ・ハンマ,amx-103.gif,試作MS。ネオジオン開発による試作MS。肩・腰部を始めとして、全身をとりかこむようにして、高出力のスラスターが配備されており、高い機動性能を誇る機体である。機の特徴であるフレキシブルアームは、有線式サイコミュとなっており、射出・遠隔操作してのオールレンジ攻撃を可能とする予定であった。しかし、一般兵士に対応した簡易サイコミュシステムの開発が間に合わず、試作機の製作のみで、この機体は量産化計画から外されている。 146,R・ジャジャ,amx-104.gif,試作MS。量産計画から外れたMS機体を士官専用機としてカスタムした機体。旧ジオン公国のMS-15ギャンを思わせるフォルムを持つ。ギャンと同じく、白兵戦能力を重視して開発された機体であり、ヒート剣付きのビームライフルなど、他のMSには見られない独特の武器を携行する。両肩にはミサイルポッドとともにバリアブルシールドを携行する。これは可動式のシールド兼スラスターで、多方向からの攻撃に備えると同時に、機体の機動性を高める役割も果たしている。 147,バウ,amx-107.gif,可変分離MS。ネオジオンの可変MS。上半身と下半身が分離し、それぞれが「バウアタッカー」と「バウナッター」への変形機構を持つ。もともとは、士官専用機として開発された機体だが、高性能と実用性が評価され、量産化がなされている。コクピットは、上半身にあたるバウアタッカーに存在し、下半身のバウナッターは無線によって制御される。この機構により、単独パイロットによる、複数機での連携といった従来のMSとは異なる戦法を展開することが可能である。 148,カプール,amx-109.gif,水陸両用可変MS。ネオジオン軍が地球侵攻用に開発した水陸両用型MS。旧ジオン軍の水陸両用MS、MSM-03ゴッグの発展型のため、水中での抵抗を減らすために手足を胴体部に収納することができる。この形態時は、水上をホバリングによって航行することも可能である。水冷式のジェネレーターを採用し、本体内に14門のメガ粒子砲を内蔵するなど、火力も強力な機体であるが、宇宙(アクシズ)内で設計された機体のため、パイロットからの水中用MSとしての評価は低かった。 149,ガズアル,amx-117r.gif,AMX-117LガズエルとともにネオジオンのVIP、特にハマーン・カーンの護衛にあたる親衛隊「ロイヤルガード」の専用機である。AMX-117Lガズエルと対となり、通常こちらは、護衛対象の右側に配置される。RMS-117ガルバルディβを高性能にカスタムマイズした改造機。各種兵器を内蔵する特徴的な肩アーマーが右側に装備されている以外は、ガズエルとまったくの同一の機体だといえる。性能面でも差はない。 150,ガズエル,amx-117l.gif,「ロイヤルガード」と呼ばれるネオジオンの親衛隊専用機。ハマーン・カーンが搭乗するAMX-004キュベレイの護衛が主要な任務となる。AMX-117Rガズアルと対となる機体であり、通常は、キュベレイを中心として、左側に配置される。RMS-117ガルバルディβの改造機であるが、出力、推力、装甲材質に至るまで徹底的にカスタム化され、高性能な機体となっている。左肩のアーマー部に各種兵器を内蔵する。 151,リゲルグ,ms-14j.gif,量産型MS。一年戦争末期にジオン公国宇宙軍の主力MSであったMS-14ゲルググを高機動タイプにチューニングした機体。戦後、アクシズが在来機を接収、改造を行っている。MS-14との最大の相違点は、両肩にスラスターを内蔵した大型のウイングバインダーが追加されたことである。またバックパックもプロペラントタンク付きのものに換装されており、機動性の面では、この時代の新型MSと同程度の性能が確保されている。 152,クイン・マンサ,nz-000.gif,NT戦用MS。ネオジオンが、それまでに開発したMSのノウハウを盛り込み完成させた大型のニュータイプ戦用MS。機体各所にメガ粒子砲が内蔵されているほか、両肩の大型バインダーには、メガ粒子偏光器が装備されており、ビーム攻撃をほぼ無効化することができる。テールバインダーは巨大なファンネルコンテナとなっており、キュベレイの3倍のファンネルを搭載する。また頭部は、MSN-02ジオングやMRX-010サイコガンダムMk-Ⅱと同じように、切り離して単独で稼働させることが可能。 153,シュツルム・ディアス,rms-099b.gif,量産型MS。RMS-099の火力増強型。背部のランダムバインダーを、メガ粒子砲を内蔵したグライバインダーに換装した機体である。本来は、リックディアス隊の中から選抜されたエリート・パイロットチーム用にアナハイム・エレクトロニクス社が開発し、エゥーゴに配備された機体である。しかし、政治的裏取引によって、ネオジオンにも数機譲渡されており、ネオジオン側の機体として、戦役に参加していることが確認されている。 154,アイザック,rms-119.gif,偵察用MS。RMS-106ハイザックをベースに、連邦軍が開発した偵察用MS。頭部が巨大なレドームに換装されており、索敵活動に威力を発揮した。状況に応じてビームライフルやビームサーベル(RMS-106のものを流用する)といった武器を携行するが、あくまでも偵察を主任務とした機体である。偵察用MSとしては優秀な機体で、ネオ・ジオンも地球侵攻後、同機を接収して使用していることが確認されている。 155,ザク・マリナー,rms-192m.gif,水陸両用量産型MS。地球連邦軍の水陸両用MS。一年戦争終結後に接収したジオン軍のMS-06ザク・マリンタイプを、再設計して作り上げた機体である。主武装のサブロックガンや肩部のサブロック、マグネットハーケンなど、水中戦に主眼がおかれた機体であるが、背部のハイドロジェットパックは、任意で排除することが可能であり、陸戦にも柔軟に対応できる機体となっている。連邦軍だけでなく、ネオジオン軍も連邦基地から奪取した同機体を使用したことが確認されている。 156,ディザート・ザク,ms-06d.gif,砂漠用量産型MS。ザクⅡの局地戦仕様機。地球侵攻作戦を敢行したことにより、ジオン軍の戦線が地上へと拡大した。これにより、陸戦用・局地戦用MSの重要度は高まり、中でも前線部隊からの熱帯・砂漠戦用タイプへの要望は強かった。「MS-06Dザクデザートタイプ」は、砂漠地域で運用するため、まず装甲の強化と機体各所の防塵処理が行われた。また、動力系統の冷却も従来の空冷式で不十分なため、水冷式等が検討された。ロールアウトしたD型は、通常のザクに比べて角張った印象の機体となった。配備はアフリカ戦線を中心に行われ、「MS-09ドム」が行き渡らない地域では、その代役を果たした。「MS-06D」は大戦中に70機ていどが生産され、戦後もアフリカ各所に潜伏したジオン残党により使用された。0088年の「第1次ネオジオン抗争」時にも、小改造を受けたD型は「ディザートザク」と呼ばれ、運用されていたのである。 157,ドワッジ,ms-09g.gif,砂漠戦用量産型MS。一年戦争末期に登場した、ジオン公国におけるMS-09ドム系MSの最終量産型である。第1次ネオジオン戦役においては、アフリカ解放戦線のロンメル部隊が使用した。陸戦能力の高さに定評があるドムに燃料タンクとスラスターを増設することによって、ホバーの稼働時間は大幅に延長と機動性能の強化を実現している。しかし、武装面においては、ジャイアント・バズ、ヒートサーベルなど、大きな向上は図られていない。 158,ドワッジ改,ms-09h.gif,砂漠戦用試作MS。アフリカ解放戦線のロンメル部隊の隊長であり、砂漠戦の名手として知られるデザート・ロンメルの専用機として、MS-09Gドワッジを長期間に渡り、改造した機体である。両肩に追加されたブースターにより、陸上での機動性がさらに向上しているほか、ビーム兵器を携行するなど、武装面の充実も図られている。